2006年06月23日(金) 12:55
福島のダート1700mは、コーナー4回の小回りコース。形態からすると、中山のダート1800mなどとそれほど大きな差はないような気もするが、競馬場全体が中山よりはずっと小さいためか、いかにもローカルの小回りコースの印象が強い。騎手もそう感じる。
したがって、向正面に入ってペースが落ち着く間もなくスパートする馬がいたりして、メンバーの力量が揃うと、案外、先行有利の単調なレースにはならない。差し=追い込みのパターンも決して珍しくない。
1200mと1300mで1000万を連勝しているナムラモンスター(父スキャン)から入りたい。距離1600m以上のダート出走経験はなく、芝1600〜1800mで[1-0-0-3]。最近はずっとダートの1200〜1400mにマトを絞って出走しているから、いかにも典型的な短距離タイプのようにみえるが、この馬、母の父はバンブーアトラス(その前はネプテューヌス)で、97年のオークスを2着したナナヨーウイングや、98年のスーパーダートダービー(2000m)を2着(勝ち馬はウイングアロー)したナナヨーウォリアーの下。
少なくとも母方は短距離タイプというファミリーではない。また、父スキャンの産駒も決して短距離だけにとどまらず、1800〜2000mを中心に大活躍のメイショウカイドウなど、出世するタイプはだいたい中距離まではこなす。短距離型に出るとあまり出世しないというパターンをもっている。
ナムラモンスターは、東京のダート1400mまでは楽々とこなしている。またここは、そう強引に最初から競り込んでくるようなスピードタイプも不在。マイペースに持ち込み途中からペースアップの形なら、福島1700mは十分にこなせるはずだ。オースミヘネシー、タイラントシチーを本線に、ナムラモンスターの逃げ込みに期待したい。
京都11Rも距離が大きなポイント。1400mを2連勝してこのクラスに上がってロードアルティマに注目。前走の1400m1分21秒7は、上がり34.6-12.0秒でまとめ、58kgを背負って差を開く一方の6馬身差圧勝。1600mは今回2戦目だが、距離不安はないだろう。名種牡馬ゴーンウエストの下で、父はシーキングザゴールド。4分の3同血以上にその血統背景には似た部分がある。6歳馬ながら、キャリア8戦[5-1-1-1]。遅れてきた大物の可能性がある。少なくともまだまだ強くなるはずだ。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。