【桜花賞】受け継がれる過去の傾向

2024年04月06日(土) 12:00

牝馬の時代のきっかけをつくってきた

 桜花賞はこの6年、トライアル不出走馬が勝ってきた。様々な路線からここを目指す傾向はずっと続いていて、今年の出走馬の前走は実に8レースにも及んでいて、その勝ち馬は全て顔を見せている。

 この流れを作るきっかけになったのが、6年前のアーモンドアイで、2戦1勝で年を越しシンザン記念で牡馬を倒して勝ち、4戦目が桜花賞だった。ここでは、阪神JF、チューリップ賞と勝ったラッキーライラックがいてこれが一番人気で、アーモンドアイはこれを追う評価だったが、電光石火の末脚で大外一気にこれを抜き去って頂点に駆け登っていた。以後快進撃は続き、牝馬三冠制覇、天皇賞(秋)連覇、ジャパンC2勝、ドバイターフ、ヴィクトリアマイルと勝ち、牝馬の時代のきっかけをつくっている。

 このアーモンドアイの成功を受け、翌年の桜花賞馬グランアレグリアは暮れの朝日杯FSで牡馬にまじって3着と手応えをつかむとぶっつけで出走していた。そして続く桜花賞馬デアリングタクトは年明け1月にデビューし、新馬戦と2月のエルフィンSを勝って2戦2勝で本番、未知の魅力を発揮してぐんぐん成長し、三冠牝馬にまでなっていた。その翌年が、阪神JFを勝って4戦4勝の白毛のソダシで、4ヶ月ぶりの本番で勝利し、これは昨年の桜花賞馬で三冠牝馬に輝いたリバティアイランドに受け継がれた。阪神JFからの直行組は、この4年で7頭もいて、2勝2着1回と目立っている。

 そして別路線組では、2年前の桜花賞を7番人気で勝ったスターズオンアースがいる。年明けのフェアリーS、クイーンCと連続2着で5戦1勝で登場していたが、右にも垂れるクセを馬具を工夫して矯正し、この後のオークスも勝って牝馬二冠を達成していた。

 6年前、3歳最初のレースにシンザン記念と決めたアーモンドアイは、初勝利が2戦目の東京のマイルで、その脚質から京都の馬場なら合うだろうと考えられていた。期待通りものスゴイ切れ味で勝つと、直ぐ桜花賞へ直行と決められたが、その後、一戦一戦力をつけていったのだった。どこで可能性を見い出すか、それは分かったら迷わず目標に向かって行く、その傾向は今も受け継がれている。

 阪神JFを勝って3戦3勝のアスコリピチェーノは、史上9頭目の無敗の桜の女王をめざしているが、これまでの3戦すべて上がり3ハロン33秒台をマークしていて、長く脚を使えるのが武器。これとクビ差の2着でそれを上回る切れを見せたステレンボッシュもこの4ヶ月で力をつけ逆転を狙えるだろう。

 他では、東京のクイーンCでマイルを克服したクイーンズウォークを。これまで3戦2勝、その全てで最速の上がりを発揮、その脚力は確かなものがある。トライアル組からはチューリップ賞を勝ったスウィープフィートがペース次第で可能性ある。

「桜咲き 春らんまんの 盛り上がり」

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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