2024年04月29日(月) 18:00 29
天皇賞(春)を制したテーオーロイヤル(c)netkeiba
1番人気に支持された6歳牡馬テーオーロイヤル(父リオンディーズ、その母シーザリオ)の完勝だった。長距離戦のレベルは、短-中距離戦以上に走破タイムが示すことが珍しくないとされる。テーオーロイヤルの記録した「3分14秒2」は、
2017年キタサンブラックの「3分12秒5」レコード
2006年ディープインパクトの「3分13秒4」
2012年ビートブラックの「3分13秒8」
2007年メイショウサムソンの「3分14秒1」
2013年フェノーメノの「3分14秒2」
フェノーメノと並び天皇賞(春)史上5位タイの記録。芝コンディションの差や、ペースの違いは大きいが、キタサンブラック、ディープインパクト…などのビッグネームと差のない3200mの時計として記録に残ることになった。
伏兵マテンロウレオ(父ハーツクライ)が先導したレース全体のバランスは、前後半の8ハロン「1分36秒3–1分37秒9」=3分14秒2(レース上がり35秒3)。2周目の坂を迎えるあたりでラップが落ちかけたが、大半の年に見られるハロンラップ「13秒台」は一度もなく、好タイムに結びついた。テーオーロイヤルは終始好位を追走し、最後は直線の入り口でもう先頭に並びかけている。完全に実力勝ちである。
今年に入って3400mの「ダイヤモンドS」、そして3000mの「阪神大賞典」に出走のローテーションは、前出ビートブラックと同じだが、近年ではまったく型破りなローテーションだった。それを3連勝したのだからすごい。
まだ未完成な3歳、4歳時は、狙いのビッグレースに的を絞り、・・・
柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。