ケンタッキーオークスの戦力分布をおさらい 出走枠を巡るポイント争いで通算150点を獲得したタリファが中心

2024年05月01日(水) 12:00

ゴドルフィンによる米国の自家生産馬

 今週金曜日(3日)にチャーチルダウンズで行われるG1ケンタッキーオークス(d9F)の展望をお届けする。

 ケンタッキーダービー同様にケンタッキーオークスにも、出走枠を巡るポイントが設定された「ロード・トゥ・ザ・ケンタッキーオークス」が、昨年9月から催されてきた。

 通算で150点を獲得し、ポイントランキングで首位に立ったのが、B.コックス厩舎のタリファ(牝3、父バーナーディニ)だ。

 ゴドルフィンによる米国の自家生産馬で、祖母ティズドバイがデルマーの2歳G2ソレントS(d6.5F)勝ち馬という血統背景を持つ同馬。2歳10月にデビュー。今季初戦となったフェアグラウンズの条件戦(d8.5F)を制して2勝目をあげると、続いて出走した2月17日に同じくフェアグラウンズのG2レイチェルアレクサンドラS(d8.5F)を制して重賞初挑戦初制覇を達成。さらに、3月23日にこれもフェアグラウンズで行われたG2フェアグラウンズオークス(d8.5F)も制し、重賞連勝を果している。

 ブックメーカー各社が4倍から5.5倍のオッズを掲げて前売り1番人気に推しているのも、タリファだ。

 そのブックメーカーの前売りでは、レスリーズローズ(牝3、父イントゥミスチーフ)、ジャストエフワイアイ(牝3、父ジャスティファイ)、ソーピドアンナ(牝3、父ファストアンナ)の3頭が、5〜7倍のオッズで2番人気を争っている。

 G1フロリダダービー(d9F)勝ち馬マテリアリティの姪にあたり、キーンランド9月1歳市場にて115万ドルという高値で購買されたのがレスリーズローズだ。昨年11月、アケダクトのメイドン(6.5F)を9.1/4馬身差で圧勝し、関係者やファンの注目を浴びた同馬。続くガルフストリームパークの条件戦(d7F)は勝ったものの、重賞初挑戦となったG2ダヴォナデールS(d8F)で3着に敗退。大きかった期待が萎んだかに見えたが、4月5日にキーンランドで行われたG1アッシュランドS(d8.5F)を3馬身差で快勝。再びオークス戦線の前線に返り咲いている。同馬を管理するトッド・A・プレッチャー氏は、今年勝てばケンタッキーオークス5勝目となり、ウッディ・スティーヴンス氏、ウェイン・ルーカス氏が持つ同競走最多勝記録に肩を並べる。

 そのG1アッシュランドSで2着だったのが、ウィリアム・モット厩舎のジャストエフワイアイである。ジョージ・クリコリアン氏の自家生産馬で、祖母がG1サンタマルガリータH(d9F)など2つのG1を制したスターラーという血統背景を持つ同馬。2歳時は3戦し、G1フリゼットS(d8F)、G1BCジュヴェナイルフィリーズ(d8.5F)という2つのG1を含む3連勝をマーク。エクリプス賞最優秀2歳牝馬のタイトルを獲得した。当初は、3月2日にガルフストリームパークで行われたG2ダヴォナデールS(d8F)が今季初戦となる予定だったが、熱発を発症してレース当日に出走を取り消していた。アッシュランドSでデビュー以来初の敗戦を喫したわけだが、5カ月の休み明け&熱発明けでの出走だったことを考慮すれば、悲観する内容ではなかったというのが大方の見るところである。

 一方、3月30日にオークローンパークで行われたG3ファンタジーS(d8.5F)を4馬身差で快勝しての参戦になるのが、K.マクピーク厩舎のソーピドアンナだ。

 祖母の兄弟に、G1ウッドメモリアルS(d9F)勝ち馬エスケンデレヤや、G1ミドルパークS(芝6F)勝ち馬バルモントがいるという、まずまずのファミリーを背景に持つ同馬。その一方で、21年2月に蹄葉炎のため10歳で他界している父のファストアンナは、亡くなった年の種付け料が5千ドルだったというマイナーな種牡馬で、ファシグティプトン10月1歳市場に上場されたソーピドアンナは、4万ドルというお値打ち価格で購買されている。2歳10月にデビューすると、キーンランドのメイドン(d7F)とチャーチルダウンズの一般戦(d8F)を連勝。重賞初挑戦となったG2ゴールデンロッドS(d8.5F)は2着惜敗だったが、G3ファンタジーSでは4カ月の休み明けを克服して快勝している。

 3月23日のG2フェアグラウンズオークスがタリファの2着だったアワープリティウーマン(牝3、父メダグリアドーロ)、3月30日にガルフストリームパークで行われたG2ガルフストリームパークオークス(d8.5F)の1、2着馬パワースクイーズ(牝3、父ユニオンラッグス)、ウェイズアンドミーンズ(牝3、プラクティカルジョーク)、4月6日にアケダクトで行われたG3ガゼルS(d9F)勝ち馬ホエアズマイリング(牝3、父トゥワーリングキャンディ)らが、5番人気以下に名を連ねている。

 翌日のケンタッキーダービー同様、3日のケンタッキーオークスも目の離せない戦いになりそうである。

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合田直弘

1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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