2024年05月03日(金) 18:00 24
日本ダービーで上位を占めるのは、ほとんど皐月賞出走馬。ただ、2013年の勝ち馬キズナ、2015年の2着馬サトノラーゼン、2019年の勝ち馬ロジャーバローズなど、時おり京都新聞杯(最終便の賞金獲得レース)から「中2週」で挑戦して快走する上昇馬もいる。
今年は、京都新聞杯を勝ってダービー馬となったキズナ(父ディープインパクト)産駒がなんと5頭も挑戦する。種牡馬キズナは皐月賞馬ジャスティンミラノなどを送り、目下種牡馬ランキング1位に立っている。勢いがある。
キズナは、近年では出走回数の多い7戦目に日本ダービーを制している。かなりタフだった。人気のインザモーメントはここで賞金加算に成功すると、父と同じ7戦目が日本ダービーになる。オーナーの前田幸大氏(23)はノースヒルズ前田幸治代表の次男で、慶応大学に在学中の馬主だという。恵まれた環境もあるが、強運なのだろう。
きさらぎ賞で勝ち馬と0秒0差4着の内容、アザレア賞2400mの全体時計は平凡でも、ただ1頭だけ上がり34秒台で圧勝の勢いから、ここでも勝機十分と思える。
全兄の4歳馬リビアングラスは昨年の京都新聞杯を0秒0差の3着惜敗だったが、インザモーメントの方が切れる印象がある。牝系は名門。母の父Curlin(カーリン)は米のダート巧者で、芝適性に疑問もあったが、産駒のパレスマリス(USA)は日本で芝の重賞勝ち馬ジャンタルマンタル、ノーブルロジャーを送るなど、自身の日本への輸入と時期を合わせるように芝で活躍し、カーリン系の評価を大きく変えている。
前走のゆきやなぎ賞で、続く青葉賞をアタマ差2着するショウナンラプンタ(父キズナ)と接戦だったヴェローチェエラが最大の強敵だが、好調の波に乗る他のキズナ産駒の4頭[ウエストナウ、オールセインツ、ギャンブルルーム、ジューンテイク]の中からは、今回も動きの光ったギャンブルルームを買いたい。ファーヴェント(父ハーツクライ)もこの距離で変わる可能性がある。
柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。