2024年05月04日(土) 12:00
超のつく豪華なメンバーが揃ったNHKマイルCは、3歳マイル王決定戦にふさわしいレースになった。最優秀2歳牡馬に最優秀2歳牝馬がレース史上初めて対決するということだけでなく、それぞれがクラシックから参戦するところに意味深いものがある。
この10年を振り返ると、牡馬の朝日杯FSの勝ち馬は3頭出走していて、2019年のアドマイヤマーズが勝ち、昨年のドルチェモアが12着、3年前のグレナディアガーズが3着だった。
一方牝馬の阪神JFの勝ち馬は、2頭だけが出走していて、16年にメジャーエンブレムが1着、4年前のレシステンシアが2着と連対を果たしている。
2歳チャンピオンでNHKマイルCで連対を果たした3頭に共通するもの、それはいずれも皐月賞、桜花賞に出走していた点で、牡馬のアドマイヤマーズは年明け共同通信杯2着、皐月賞4着を経てここに登場していた。
一方の牝馬勢は、メジャーエンブレムがクイーンCを勝ち桜花賞4着を経てNHKマイルCを勝ち、4年前の2着馬レシステンシアは、年明けチューリップ賞3着、桜花賞2着と戦ってここに出走していた。クラシックを戦って、勝てずともそこで力を発揮できたことの価値は高く、この3歳マイル王につく資格が十分にあると考えていい。
今年の顔ぶれの中では、3戦3勝の無傷で年を越したアスコリピチェーノが1番人気で桜花賞に出て、4角で外にはじかれる不利があり4分の3馬身差の2着と初めて土がついた点が惜しまれたが、左回りが2戦2勝、ストライドが大きく広いコースは向いていること、新馬戦以来のコンビ復活でルメール騎手が騎乗するとなれば、ここは期待しかない。
一方、ジャンタルマンタルは、レコードで決着した皐月賞の激流の中、3番手と先行して勝ちに行く競馬を見せ、初の2000米でも自らもレコードを叩き出しての3着だった。共同通信杯2着から皐月賞という戦い方は、5年前のアドマイヤマーズと全く同じというのも面白い。マイルは2戦2勝で、世代のトップレベルにあるのは間違いない。
牡牝のこの2頭は、これまでの流れから推察してもかなり有力と思えるし、あとはどっちが勝てるかを考えてみた。
2歳チャンピオンでNHKマイルCを勝ったアドマイヤマーズもメジャーエンブレムも、どちらもダイワメジャー産駒という共通点があり、この産駒は2019、20、22年と産駒が出走していた過去3回連続で連対馬を出していて、この点は注目したい。となるとアスコリピチェーノに心が動く。
それともう一頭の牝馬でダイワメジャー産駒のボンドガールも気になってくる。外傷で阪神JFを回避し6ヶ月ぶりのニュージーランドT2着で合格点の走りがみられた。もともとNHKマイルCを目標にしていたと伝えられており、ペースが上がって折り合いがつけば、上位に食い込んでもおかしくない馬だと思う。
「こだわった 登りつめたぞ マイル王」
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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