2024年05月08日(水) 18:01 127
▲第2回も佑介騎手と武英智調教師にペプチドナイルについて伺います!(撮影:桂伸也)
メイケイエールや京都新聞杯を制したジューンテイクなど、数々の活躍馬を管理する武英智調教師。意外にもペプチドナイルとの道のりは順風満帆ではなく、「本当に大変でした」と語ります。
師曰くハプニングが多い“不思議”な馬だそうで、フェブラリーS前日には「厩舎がザワザワしてた(苦笑)」と口にする事態に...。佑介騎手もレース後に知った、驚きのエピソードもお話いただきました。今回はチームの懸命な“努力”が詰まった背景と、同馬の素顔に迫ります!
前回はこちら▼
【武英智×藤岡佑介】「毎回ああいうふうに乗って(笑)」ペプチドナイルと制したフェブラリーSの裏話とかしわ記念への意気込み/第1回(取材・構成=不破由妃子)
──ペプチドナイルは、とても緩い馬だそうですね。かつては、競走馬になれるかどうかというレベルだったとか。
武英 そうなんですよ。デビュー前は本当に大変でした。生まれて1カ月後くらいにオーナーと牧場に見に行って、ほぼ即決で決めていただいた馬なので、僕はもう期待しかなかったんですけどね。育成に入ったらとにかく緩くて、右のトモが使えず、育成のスタッフいわく「ものにならないかもしれません」と…。 「どうしよう。参ったな」というのが本音でしたね。そんな状態から、牧場スタッフと厩舎スタッフが頑張って作ってくれて、4歳の秋にはオープンまで行くことができて。佑介に初めて乗ってもらったのは去年の夏で、だいぶよくはなっていたけど、それでも緩かったよな?
佑介 そうですね。オープン馬のなかにも、「この馬、小さいときはものにならないと思ってたんですよ」とスタッフさんが言うような馬もたまにいるんですけど、「いやいや、言い過ぎでしょ」と思う馬がほとんどで。でも、ナイルに関しては、「本当にそうだったんだろうな」と感じましたね。オープンまで勝ち上がってきてこの緩さか…みたいな。
武英 とにかく右トモが使えなくて、当初は「3本脚で走ってる」って言われたくらいだから。走法的には最初からダートだと思っていたけど、ダートを使ったらトモが持たないだろうということで、芝のレースからスタートしてね。結局、3回目でダートを使って楽勝したんだけど、その1回で膝を骨折してしまって、やっぱりか…となった。その後も長い休みを挟みながら大事に大事に使ってきて、徐々に競走馬っぽくなってきた感じだよな。
▲OP入りの裏側は「スタッフが頑張って作ってくれて...」(撮影:桂伸也)
──そういった経過を辿った馬がGIを勝つ。ペプチドナイルの背景には、競馬の魅力が詰まっていますね。
武英 本当ですね。オーナーには最初の段階で「ほかの馬より2年くらい成長が遅いと思っていてください」とお伝えしていたんです。「ひとつ勝てば道は開けるので、6歳くらいまでは温かく見守ってください」と。
佑介 今年で6歳。・・・
藤岡佑介
1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。