【オークス】チェルヴィニアが桜花賞からの巻き返しに成功 母チェッキーノの無念を晴らす

2024年05月20日(月) 18:00

ステレンボッシュ最善を尽くすも位置取りが勝敗を分けたか

重賞レース回顧

オークスを制したチェルヴィニア(撮影:小金井邦祥)

 引くに引けない形になったとはいえ、大差18着ヴィントシュティレ(父モーリス)と、大差17着ショウナンマヌエラ(父ジャスタウェイ)の先手争いでスタートした2400m。記録に残る内容は前後半の1200m「1分09秒8-1分14秒2」=2分24秒0のハイペースとなるが、これはベテラン騎手2人にしてはたまたまだろうが、失敗だったか。

 実際のペースメーカーは、大きく離れた3番手追走の形になった5着ランスオブクイーン(父タリスマニック)の刻んだ推定前半1200m通過「1分12秒5前後」くらいだったと思われる。

 勝ったチェルヴィニア(父ハービンジャー)と、二冠達成ならず2着にとどまったステレンボッシュ(父エピファネイア)は、中団より少し後方のまったく同じ位置。余裕十分に後半のスパートに備えるポジション。お互いを確認できる位置だった。

 ステレンボッシュの誤算は、結果的にだが、前半の(先行馬)の速すぎるペースを分かっていたので、4コーナー手前でスパートを少し待って位置が下がったこと。実際には多くの馬にとってはハイペースではないから、あっという間に馬群は凝縮し、外にはチェルヴィニアを中心に馬群ができていた。

 ただし、そこで内寄りに進路を取ったのは失敗ではない。空いていたスペースから鋭く抜け出し、一旦は先頭に躍り出ている。勝利の見えた瞬間だった。ところが、周囲には有力馬は1頭も存在せず、1頭だけになってしまった。これまで直線に向いて単騎先頭に立ってレースをしたことは一度もない。並んだ相手を差し切る形がほとんどだった。

 そこから、苦しくなってヨレたのか、・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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