【日本ダービー予想】近年は『東京っぽくない』実力馬が人気を落としている?

アプリ限定 2024年05月22日(水) 12:00

こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。

今週のれん氏が注目したのは、東京競馬場で行われる日本ダービー(GI)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!

東京2400mはタフだが持続力が求められる

 日本ダービーは皐月賞組vs別路線組の構図が毎年形成されるが、過去10年で3着以内馬の30頭中23頭が前走皐月賞と3分の2を超える割合になっている。出走頭数全体でみても近5年9〜12頭と半分を超える割合で推移しているのである種当然ではあるが、それは勝負になるのは厳しいが日本ダービーなので使うといった馬も含まれた数字。ある程度人気している馬に絞った成績を比較すると一目瞭然で皐月賞組の優位が窺える。

のれんの腕押し

 今年の皐月賞はペースが流れたとはいえレコード決着で、3着のジャンタルマンタルがNHKマイルCを2着に差をつけて制したことからも世間的にもレベルが高いと見られそうなのでそこまでギャップがなさそうだが、ジャスティンミラノを逆転するなら別路線組という思考が多少なりとも働くだろうから今年も皐月賞組からの狙いで良さそう。

 皐月賞時の当コラムにも書いたように、時計が速い決着になった時の皐月賞はマイルで実績を残していたり、先行力に秀でているスピードのある馬が好走する傾向になるので、そこで差し損ねた馬を狙うというのは自然であり、アーバンシックやレガレイラが人気に押し上げられるのは理解できる。

 ただ近年の日本ダービーの結果を見ていて、いわゆる『東京っぽくない』実力馬が必要以上に人気を落としているなと感じる。

 舞台が直線の長い東京競馬場で時期的に馬場も良いことが殆どだけに、絶対的な上がりスピードが出せないタイプを嫌いたくなるのはわかるが、例えば昨年のタスティエーラは皐月賞をハイペース先行して2着と強い競馬ながら単勝8.3倍の4番人気、おととしのアスクビクターモアは皐月賞で同じく馬場の悪い内を走ったダノンベルーガが1番人気になったのに対して単勝24.7倍の7番人気、3年前のステラヴェローチェも皐月賞3着にもかかわらず単勝40.2倍の9番人気だった。

 それ以前も人気薄の好走馬はロジャーバローズだったり、ヴェルトライゼンデだったりいかにもキレないタイプが多い。これは3歳春のこの時期の馬にとって東京2400mという条件はそれだけタフであり、昨年こそ実質スローの瞬発力戦になったが、例年4〜5Fの長い脚を求められるだけに最後は持続力が重要になってくるということ。

 血統的にもここで挙げた馬はタスティエーラとステラヴェローチェは父が欧州血統。アスクビクターモアとヴェルトライゼンデは母が重厚な欧州血統で本邦輸入前にG1馬を輩出していた。

 一昔前の日本ダービーは母系に北米血統を持っている馬が強いと言われたが、それは根幹種牡馬であるディープインパクトやハーツクライが欧州色の強い母系で、スピードある北米血統の母につけることでちょうどいいバランスになっていた為。その配合で活躍した後継種牡馬に時代が移った現在は母から欧州血統を補給するのが日本ダービー向きの配合と言えるのではないか。

 人気を必要以上に落としそうなパターンに今年のメンバーで該当するのがサンライズジパングとシンエンペラーだろう。特にシンエンペラーは跳びが大きくエンジンの掛かりが遅いので舞台は好転すると思うし、巻き返す可能性は十分あるとみている。

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のれん

人気落ちを狙い、買い時を逃さない俺プロ出身の人気予想家。本格的に競馬予想を始めてから僅か3年で年間回収率115%を達成し、2021年11月にウマい馬券でデビューを果たした。馬場や枠順はもちろん、血統・馬体・走法などから見る適性も重要視しており、その実力には現在活躍中のプロ予想家たちも絶賛している。

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