2024年05月25日(土) 12:00
競馬に関わる誰もが憧れるダービー。世代の頂点をめざすその瞬間に、今年はどんなドラマを見ることになるのか。実は、そこに勝者を見つけるヒントがあると言っていい。
よく、“ダービー馬はダービー馬から”と言われてきたが、今年は無傷での春の二冠制覇をめざすジャスティンミラノが、2013年のダービー馬キズナの産駒ということで、俄然この言葉がクローズアップされていると言っていいだろう。この10年に限ってみても、この言葉は7回も現実となっている。ディープインパクトが5回、キングカメハメハが2回だが、時が流れて今は、それぞれの後継種牡馬争いが激しくなっている。その中で、キズナはディープインパクトの有力後継種牡馬になっていて、日本ダービーには5頭もその産駒が名を連ねている。
これまでに今年は重賞勝ち馬をジャスティンミラノの皐月賞を含めて6頭出していて、産駒の活躍は目立ってきた。そのうち5回が3歳馬によるもので、この先、キズナの産駒は、どんどん活躍の場を広げてくるだろう。ディープインパクトは、2年前まで日本ダービーには最低でも3頭、多いときには7頭の産駒を出走させていた。この流れを受け、キズナも父と同様に出走馬を出し続けていくと期待したい。
ディープインパクト、キングカメハメハ以外でダービー馬を送り出した種牡馬は、ハーツクライの2頭、サトノクラウンの1頭で、この10年を見る限り、「ダービー馬はダービー馬から」の言葉は断然、強い力を持っていると言いたい。
ジャスティンミラノは、デビューから2戦続けて東京で勝ち、キャリア2戦でのぞんだ皐月賞では、前半5ハロンが57秒5という激流をこなして勝ったが、その脚質は日本ダービー向きだ。
同じキズナの産駒の中では、3戦全勝で皐月賞をパスして出てくるシックスペンスが不気味だ。スプリングSは圧巻の勝ちっぷりだったが、万全で日本ダービーにのぞむためと、ここまで調整を続けてきた。これまで日本ダービーには8頭出走させてきた国枝調教師は、3着が最高でまだダービー・トレーナーには輝いていない。悲願の日本ダービー優勝をというその心意気に乗ってみたいところはある。
ダービー馬を出していたハーツクライの血を引いた種牡馬スワーヴリチャードにも心引かれるが、今年の顔ぶれの中に、牝馬のレガレイラともう一頭アーバンシックがいる。
牝馬ながらホープフルSで牡馬を倒し、ぶっつけで皐月賞に出走した牝馬のレガレイラは、道中の不利があり位置どりが悪く、最速の脚を駆使して追い込んで0秒5差の6着だったが、ルメール騎手との再コンビに注目したい。アーバンシックは皐月賞は4着だったが、雄大なフットワークは、東京の長い直線でこそ本領発揮できる。この2頭は、血をたどると祖母がディープインパクトの妹という共通点があり、日本ダービーには縁があると思いたい。
「受け継いだ この血脈を 残すとき」
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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