【日本ダービー】ダノンデサイルが世代の頂点に 横山典弘騎手の英断と手腕が勝利に導く

2024年05月27日(月) 18:00

56歳での勝利は世界に誇れる素晴らしい記録

重賞レース回顧

日本ダービーを制したダノンデサイル(撮影:下野雄規)

 

 メイショウタバルの出走取り消しでスローの展開が予測された。思い切って主導権を握るのはどの馬か。スタート直後に気合をつけて行く構えを見せたのは内のダノンデサイル(父エピファネイア・鞍上 横山典弘騎手)、シュガークン(父ドゥラメンテ・鞍上 武豊騎手)、エコロヴァルツ(父ブラックタイド・鞍上 岩田康誠騎手)。ベテラン騎手たちの馬だった。

 若手騎手の伏兵も先行策を考えたはずだが、50代のベテラン3人に行く気を見せられては無理もできない。最近10年ではレイデオロの勝った2017年に次ぐ前半スローで、前後半バランス「1分14秒8-1分09秒5」=2分24秒3。後半1000mは56秒8だった。

 日本ダービーを制するのは大半がベテラン騎手。これは本当で、めったに若手が勝つことはない。3勝目となった横山典弘騎手は56歳3カ月。史上2位は、2022年にドウデュースで6勝目を挙げた武豊騎手の53歳2カ月になる。

 世界にはもっとベテランのダービージョッキーはいるが、ザ・ダービー(英ダービー)を9回も制したL.ピゴット騎手の最後のダービー制覇は47歳(1983年ティーノソ)であり、W.シューメーカー騎手がケンタッキーダービー4勝目(輸入されたファーディナンド)だったのは54歳時の記録がある。それを思うと、横山典弘騎手の大記録も、武豊騎手の53歳で日本ダービー6勝の記録も、世界に誇れる素晴らしいダービーの記録である。

 完勝したあと向こう正面で両手を突き上げ、喜びをスタンドのファンに伝えた横山典弘騎手にしては珍しい歓喜も、皐月賞をスタート直前に回避を決めた経緯とその後の仕上げの難しさをファンに伝えたコメントも印象に残った。好走が約束された4コーナーで・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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