2024年06月06日(木) 18:01
▲川田将雅騎手が語る横山典弘騎手の凄みとは(撮影:福井麻衣子)
2024年の春GIも残すところ宝塚記念のみ。同期の活躍や自身の完璧な勝利もあったなか、印象に残ったGIレースに挙げたのは、横山典弘騎手がダノンデサイルと制した日本ダービー。
中でも川田騎手が注目したのは、その結果ではなく栄冠に至るまでの“過程”。騎手としてキャリアを経た今だからこそ実感したという“騎手・横山典弘”の凄みとは?
(取材・構成=不破由妃子)
──まだ宝塚記念が控えている状況ではありますが、今回はこの春のGIを対象に、同じジョッキーとして印象に残った勝利や騎乗をお聞きしてみたいなと思いまして。
川田 やっぱり、ノリさんのダービー(ダノンデサイル)です。「さすがだな」と思いましたね。
▲今年の日本ダービーを制したダノンデサイルと横山典弘騎手(撮影:下野雄規)
──スタートからゴールまで、「これしかない」という競馬を貫いたように見えました。
川田 僕が論じるまでもなく、レースの内容は言わずもがなです。僕が「さすがだな」と思ったのは、あの馬をダービーを勝つところまで持っていったというところなんですよ。
──ああ、なるほど。ついレースにばかり注目してしまいますが、そこに至るまでの過程に横山典弘騎手の手腕があると。
川田 ダノンデサイルは京成杯を勝ってはいますが、世代のなかで最初からズバ抜けた素質があったというタイプではないと思うんです。関係者のあいだで「あの馬がクラシック候補だ」と話題になっていたわけではないと認識していますし、ファンのなかでも、ダービー馬候補はどの馬だとなったときに、早い段階で名前が挙がってくるような馬ではなかったはずです。
▲5番人気で勝利した京成杯(撮影:下野雄規)
──皐月賞の除外で京成杯以来の実戦となったわけですが、それにしても9番人気でしたからね。
川田 ノリさんは、そういう馬をダービーを勝てるまでに作り上げた。スタッフと話し合いながら、ノリさんがレースを教えて作り上げ、実際にこうしてダービーを勝ったわけですから。ノリさんと厩舎のチームワークの結晶とも言えますね。
──先ほども触れましたが、その過程には皐月賞での除外という決断もあった。
川田 残念ながら。ゲート裏でノリさんの「あ、ダメだ」という声が聞こえてきたので、僕もパッとダノンデサイルを見たんです。見た瞬間・・・
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川田将雅
1985年10月15日、佐賀県生まれ。曾祖父、祖父、父、伯父が調教師という競馬一家。2004年にデビュー。同期は藤岡佑介、津村明秀、吉田隼人ら。2008年にキャプテントゥーレで皐月賞を勝利し、GI及びクラシック競走初制覇を飾る。2016年にマカヒキで日本ダービーを勝利し、ダービージョッキーとなると共に史上8人目のクラシック競走完全制覇を達成。
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