◎○▲が的中で13万超え 予想の肝は香港馬の参戦(石堂道生)

2024年07月21日(日) 18:00

予想の頭脳

13万超えの払い戻し

『ウマい馬券』で活躍するプロ予想家たちが、会心の的中を振り返る「予想の頭脳」。今回取りあげるのは、安田記念を的中させた「石堂道生」氏。難解な一戦を、どのようなアプローチで攻略したのか……。本人自ら綴っていただきました!

対象レース:2024年6月2日(日曜日)東京11R 安田記念
予想の頭脳

「石堂道生」氏

 競馬新聞馬サブローの石堂道生と申します。

 記者となって今年で19年目。昨年の9月末よりnetkiebaにて予想をさせていただいております。

 調教班の私としては調教での動き・気配・馬体チェックが予想の軸となる部分。後はこの業界で流れるよもやま話を参考。後者の方がヒントとなることもしばしばありますが、培ってきた経験を生かして予想に反映し的中を目指しております。

【安田記念の振り返り】

 今年の安田記念を予想するにあたり、ポイントはやはり香港馬の参戦に尽きると思います。

 そしてその2頭の内、大本命はロマンチックウォリアー。実績的に普通なら1倍台となるぐらいに抜けた存在ですが、当馬は2000mの距離を中心に使われており、距離適性の部分で疑うところがあったと思われます。

 それに加えて日本の馬場が合うのか否か...まさしくそこが「予想」の肝の部分。

 詳しくは出稿した予想コメントにも記述しましたが、動きを見てまずは単純に驚愕。ちょっと他とはレベルが違い過ぎるかなと思い、写真やレースリプレイをくまなくチェック。個人的に馬体を見ると明らかな短距離指向のバランスだと感じました。

 この後は宝塚記念へ参戦するとの報道もありましたが、適性はマイル寄り...安田記念が勝負であろうと推測するに至りました。

 後は日本の馬場にフィットするかどうか。おそらく速い時計にも対応できたと想像しますが、それは未知数。週中の雨や当日にも降ったことで少し力の要る状態になったことは確かに好都合な状況ではあったでしょう。

 そして当日の競馬場でパドック〜返し馬を見ていいレースをしてくれると確信。好スタートから道中のポジショニング。外から蓋をされるような形でしたが、それをもクリア。直線の追い出すタイミングまでの無駄なのない走り。勝つべくして勝つような素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。

 対抗にはナミュール。良馬場なら本命候補でしたが、空模様とロマンチックウォリアーの本気度を吟味して2番手評価に。ヴィクトリアマイルはドバイからの遠征帰りの初戦。出遅れてしまいリズムを崩したとはいえ、その後の進み具合も微妙。そして直線も思ったほど伸びなかったものの、窮屈な位置となって満足に追えないシーンもありました。

 ただ本来の決め手を発揮すれば今年のメンバーでは最上位の存在です。ヴィクトリアマイルの敗因としては身体よりはおそらくメンタルの部分が大きく占めたと思います。

 この馬の勝ちパターンとしては伸び伸びと走れるかどうかがポイント。当日のパドックではいつもの気合乗り。見た目の体も萎んでおらず、普通に走れる状態に感じました。

 レースは少し出遅れたものの、その後のリカバリーが実に俊敏。今回は、はじめから直線で外へと出せるポジションをキープ。最後はソウルラッシュをねじ伏せるようにして2着。この馬の好走できる形となり、今回はしっかりと走り切ってくれました。

 ソウルラッシュまでは迷いなく▲。そのあとの印をつけるのは多くても4〜5頭まで。このレースに限らず、個人的に予想するにあたって無駄に印を増やしてはあまりにも芸がないので、できるだけ絞って伝えることも大事だと思っています。

【最後に】

 今回は◎○▲で結果的に運良く的中することができましたが、競馬は同じメンバーでも10回やれば10回とも結果が違うとされるもの。

 競馬に限ったことではありませんが、たくさんの人達が関わって成り立っているものです。

 それぞれの思惑(点)が交差し、レース(線)になる。競馬記者ならではの視点で魅力を伝え、買い方や予想見解で参考となることができれば幸いです。

(石堂道生)

今回解説の予想結果はこちら

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ウマい予想家

なぜあの馬に印を打てたのか。会心の勝利を収めたプロ予想家が、自身の的中を元にレースを振り返る予想力向上コラム。 関連サイト:ウマい馬券

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