アプリ限定 2024年08月18日(日) 18:01 153
▲田口貫太騎手の修行記は第3回!(提供:田口貫太)
8月4日にフランス初騎乗を終えた田口貫太騎手。初めての競馬場で逃げてレースを引っ張り、あと一歩の3着でした。
そのレースの前後には様々な“初体験”もあったという貫ちゃん。フランスでの一日のスケジュールをご紹介しつつ、ある騎手との再会写真も届きました。
(取材・構成:大恵陽子)
netkeiba読者のみなさん、こんにちは。田口貫太です。
まずはご報告からです。
8月4日にフランス初騎乗を迎えることができました。前回のコラムでお伝えした犬塚悠治郎オーナーのSakurachanとのコンビで、ル・リオン=ダンジェ競馬場の芝3000mに騎乗しました。
当日は馬運車に乗って競馬場に向かいました。日本の競馬場周辺で見かけるような馬運車よりもひと回りコンパクトなタイプだったのですが、運転席の後部に意外と広いスペースがあって、新鮮な気持ちで競馬場まで過ごしました。
競馬場に着くと馬場を1周歩いたのですが、ル・リオン=ダンジェ競馬場はいびつなコースで、直線になっているのは最後の部分だけで向正面はカーブでした。コーナーと直線がハッキリしなくて、日本よりもカーブが急で難しいコースだと感じましたが、ハロン棒はちゃんとあるので、そこを確認しました。事前準備として、コース形態やレース映像を何度も確認していたのですが、実際歩いてみるとわかることが多かったです。
その後は3レースくらいまではお客さんと同じエリアで厩舎の人と一緒にレースを見ました。装鞍まではお客さんのいるエリアに自由に出入りできて、そこも日本との違いを感じました。
レースは小林智調教師から「前目で流れに乗ってほしい。みんな逃げたがらないだろうから、場合によっては逃げてもいいよ」と指示をいただいていました。
Sakurachanは調教でも前進気勢があったので、スタートは出るだろうなと思っていましたが、予想以上に速くて他の馬より半馬身~1馬身出たので逃げることにしました。初めての競馬場での逃げでしたけど、体感スピードは変わりませんでしたし、フランスでは各レースのラップ表も見られるため、事前に確認していたことで初めてでも、いつもと同じ感覚で乗ることができました。
Sakurachanは最後まで頑張ってくれて手応えもありましたけど、瞬発力勝負のタイプではないので、後ろの馬を待つよりも自分から早めに踏んでいってもよかったのかな、と反省しています。依頼してくれた犬塚オーナーや小林先生に結果でお返しすることが出来ず、更に成長していかないとと感じる結果でした。
田口貫太
2003年12月10日生まれの岐阜県出身。父・田口輝彦は笠松競馬の現調教師で、両親ともに元騎手。同期は河原田菜々騎手、小林勝太騎手、小林美駒騎手、佐藤翔馬騎手ら。2023年に栗東・大橋勇樹厩舎よりデビュー。同年の阪神JFでGI初騎乗を果たし、JRA賞最多勝利新人騎手賞を受賞。2024年関東オークスをアンデスビエントで制し、重賞初制覇を達成した。