【札幌2歳S】トップホース多数輩出のレース! 前走7馬身差Vアスクシュタインに期待

2024年08月30日(金) 18:00

標準タイムを上回る馬は軽視しがたい

「札幌2歳S」は2歳初の1800m重賞。大きく広がる未来を展望する重賞であり、1800mになって過去27回、この札幌2歳Sで初重賞を手にした27頭を中心に、やがて重賞レースの勝ち馬となった馬を合計すると、重賞勝ち馬が約80頭にも達する大変な出世レースになる(障害重賞、公営の重賞を含めて)。今回の勝ち馬検討だけでなく、やがては…の素質馬を探しておくことも求められる。

 今年の札幌は全体に時計が速かったが、すでに札幌芝1800mを1分49秒台で乗り切っている馬は軽視できない。仕上がりの早さだけでは記録できない標準を上回るタイムであると同時に、札幌2歳Sの勝ち時計に相当するからだ。

 2連勝のアスクシュタイン(父ドゥラメンテ)の1分49秒2は、前半1000m通過62秒3のスローを上がり35秒0-11秒7で楽にまとめたものだから価値がある。2勝は単騎逃げだが、好位抜け出しの形になっても、2戦した強みを発揮して能力全開が望める。前走は直線だけで7馬身も突き放した。

 同じ日、1分49秒3で新馬を差し切ったマテンロウサンは、重賞4勝馬ミスパンテールと、北米種牡馬ランキング5年連続1位のInto Mischiefイントゥミスチーフの産駒。3代母はオークス馬ウメノファイバー(1989年の札幌2歳Sに出走)とイトコの間柄。初戦でアスクシュタインと互角の内容だから逆転の可能性は十分にある。

 伏兵は東京1800mの新馬戦を、直線こじ開けるように上がり33秒5で差し切っているモンドデラモーレ(父ワールドエース)、好調教で急上昇のマジックサンズ(父キズナ)、スローのため時計の1分50秒5(上がり35秒0)は平凡でも、最後の2ハロンを「11秒8-11秒1」でまとめているファイアンクランツ(父ドゥラメンテ)。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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