2024年09月15日(日) 18:00
2002年から2017年まで関西馬が16連勝もした「菊花賞」は、圧倒的に関西馬優勢だった。そのため重要なトライアルは当然、神戸新聞杯。だが、最近10年、2021年タイトルホルダー、2022年アスクビクターモアなど、セントライト記念組が6頭も連対し、セントライト記念は評価を取り戻しつつある。
評価が上がったということは、セントライト記念のレベルアップを意味するところは同じ。最近10年、このトライアルで馬券に関係した30頭のうち、過半数の「17頭」を5月の日本ダービーからの直行馬が占めている。日本ダービー組断然だ。まして今年は、14頭中11頭までが「2勝クラス以下」の組み合わせ。
夏の上がり馬に注意が必要だが、主軸になるのは日本ダービー組の3頭。3頭ともに皐月賞にも出走している。レース間隔、コース、相手などを考慮し今年も関西馬が4頭遠征してきたが、春のGIで好走した関東馬に期待したい。
皐月賞レコード1分57秒1と同タイムのクビ差2着のコスモキュランダ(父アルアイン)は強気になれる。父の全5勝は2000m以下で、4回挑戦した2200mは[0-3-0-1]だったが、スピード色が強い母は2400mまでこなしている。菊花賞3000mは大きな死角だが、この相手の今回は守備範囲だ。
対するアーバンシック(父スワーヴリチャード)は皐月賞4着、日本ダービー11着。コスモキュランダに2連敗でも、体型、血統背景などから、ここで互角の勝負なら、さらに距離短縮はこちらの方に適性がありそうに思える。ほぼ互角の評価としたい。
エコロヴァルツの日本ダービーは、自身「1分14秒8-1分10秒4」=2分25秒2。緩いペースを考えると中身は平凡だが、現在の中山は先行のスピード型に合っている。
伏兵ヤマニンアドホックは中山[2-1-0-0]。芦毛の祖母ヤマニンアラバスタは重賞2勝、オークス3着だった。現在、確実に成長している。ルカランフィーストも中山[1-0-1-1]。皐月賞はしぶとく伸びて1分57秒9。4着アンバージャックとは0秒4差だったから軽視できない。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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