2024年10月05日(土) 12:00
秋シーズンの中央競馬を飾るGIレース、天皇賞(秋)、ジャパンC、有馬記念の三大レースのどれに目標を定めるか。それを見極めるのがこの時期のテーマだが、毎日王冠と京都大賞典二つのGII戦は、その鍵を握るレースと言われてきた。
では、この10年はどうであったか調べてみると、毎日王冠から天皇賞(秋)に向かった馬は合計で40頭、京都大賞典からジャパンCへは延べ23頭と、確かに大きな意味を持っていることに変わりがない。
だが、前哨戦の結果がそのままGI戦に結びついているかと言うとそうではなく、特に毎日王冠にはその傾向が強い。そこから秋の天皇賞馬に上り詰めたのは10年前のスピルバーグ1頭のみで、他は2着が1頭、3着が4頭となっている。スピルバーグは毎日王冠3着の5歳馬で、天皇賞(秋)では大外一気の鋭い脚で重賞初制覇がGIとなっていた。
1984年のグレード制導入後、重賞未勝利馬の優勝は、85年のギャロップダイナ以来2度目。遅咲きのGI馬として名を残している。最近の天皇賞馬と言えば、牝馬のアーモンドアイや国内外のGI6連勝のイクイノックスのように連覇をした有力馬が目につくが、これらはそれまでの実績で抜けた存在だったので、前哨戦に出る必要はなかった。
その年の状況に左右される毎日王冠だが、秋のGIマイルCSとの結びつきも忘れてはならない。実際にこの10年で延べ28頭もが、毎日王冠を走ってこっちに回っている。しかもかなりの成果を上げていて、2019年の毎日王冠3着馬インディチャンプと18年の2着馬ステルヴィオがマイルCSでGIタイトルを取っていた。その他、2着馬2頭、3着馬3頭が毎日王冠組から出ているので、こっちのローテーションも強力で、天皇賞(秋)と並んでマイルCSも見据えて毎日王冠を考えていきたい。
もう一方の京都大賞典は、秋のGIの中でもジャパンCとの関連が強い印象だ。事実この10年で延べ23頭もがこのローテーションでのぞんできた。そのうち3頭ものジャパンC勝ち馬を出している。
なんと言っても2016年にジャパンC馬となったキタサンブラックが忘れられない。菊花賞馬で天皇賞(春)を勝ち、4歳の秋は、京都大賞典からジャパンCと勝ち、勢いを示したいた。17年のジャパンC馬シュヴァルグランは、前年のジャパンC3着で、京都大賞典3着からここに出ていた。そして22年の京都大賞典1着馬ヴェラアズールも直後のジャパンCでGIタイトルを手にしている。ジャパンCは天皇賞(秋)から向かってくる有力馬が多いこともつけ加えておきたい。
2つのGII戦から何をつかむか、しっかり見据えたい。先を見極めるという観点から、毎日王冠では3歳馬のシックスペンスと5歳馬ローシャムパークを、京都大賞典では5歳馬ブローザホーンを推したい。どちらも、コースとの相性がいい馬だと見ている。
「見極める 大事なレース その先を」
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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