トラックバイアスをもとに秋華賞を見事的中させた予想の経緯を解説!(馬ノスケ)

2024年11月03日(日) 18:00

予想の頭脳

馬連ワイドを見事的中

『ウマい馬券』で活躍するプロ予想家たちが、会心の的中を振り返る「予想の頭脳」。今回取りあげるのは、秋華賞を的中させた「馬ノスケ」氏。難解な一戦を、どのようなアプローチで攻略したのか……。本人自ら綴っていただきました!

対象レース:2024年10月13日(日)京都11R 秋華賞

 馬ノスケの予想は、コースや馬場を踏まえた傾向(バイアス)、競走馬の得意不得意(適性)、競走馬の能力比較などに重点を置います。今回は重賞レースの中でも比較的バイアスが出やすい秋華賞を◎○の印2点で的中することが出来たので、的中に至った予想の経緯を紹介します。

予想の頭脳

「馬ノスケ」氏

・コースの特徴や例年の傾向を加味した秋華賞のレース質

 秋華賞が行われる京都芝2000mは、3角の勾配以外は平坦の内回りコース。直線距離は約328mと短い舞台となります。先行有利に見える舞台ですが、ペースが淡々と流れやすい上級条件では特に、差し追い込み馬の好走が目立ちます。秋華賞においても、過去10年(本年・阪神開催除く)で先行馬1勝に対し、差し馬が7勝しているように「差しバイアス」が発生しています。また、外枠に主張したいセキトバイースト、クリスマスパレードが入ったので、今年の秋華賞も例年通りペースが引き締まると考え、狙いを「差し追い込み馬」に絞りました。

・例年の秋華賞とは異なるポイント

 狙いを「差し追い込み馬」に絞りましたが、今年は例年の秋華賞よりも馬場が速い「高速馬場」という点に注目しました。高速馬場に加え、ペースを引き上げる逃げ先行馬が外から主張するとなれば高速決着が予想されます。以上のことから、マイルに対応できるレベルのスピードや、高速馬場への適性が重要と判断しました。

・メンバーレベルの上下関係と買い目の選択

 今回のメンバーレベルを考えた時、最重要となったのはオークス連対馬の存在です。予想的にも馬券的にも、ここをどう捌くかが的中や回収率に大きく影響すると考えました。チェルヴィニアとステレンボッシュが飛ぶ可能性は考えづらかったので、攻め方としては以下の2パターン。

1.2強に割って入れる馬がいるなら、そこから買い目を絞る
2.該当馬がいなければ2頭軸で攻める

 この場合、2頭軸は極力避けたい手でした。2強の一角が崩れる可能性は、不利も踏まえれば競馬では十分起こりうること。そのリスクに対し、オッズが釣り合わないので、個人的には1で攻めたいと考えていました。結果、「高速馬場適性」という点から2強に割って入れる馬が1頭いると考え、その馬を本命に◎○の馬連&ワイドで馬券を構築しました。ワイドを選択した理由は、2強の存在が侮れないからです。2強に敗れても最低限ワイドで的中できる。仮に割って入れるならワイドに加え、馬連のダブル的中も狙える。そういった方向性で馬券を組みました。

・評価した馬

◎ボンドガール(5人気2着)

「高速決着への対応力」という点を評価しました。この馬はスピードが長所の高速馬場巧者で、道中の勾配が多くスタミナやパワーが求められやすい中山よりも、高速決着なら勾配が少ない京都の方が合うと考えました。

 また前走の紫苑Sでは、直線追い出しを待たされ3着に敗れましたが、加速が2着馬ミアネーロよりもワンテンポ遅く、加速地点は残り1Fを切った辺り。その位置から上がり最速タイの33.0秒を出した内容は相当強いと予想し、能力や適性は十分通用すると考えました。

 また、最終追い切りの内容が悪いのも事実でしたが、高速馬場を好む気性難な性格からも、美浦坂路が不良馬場だったのなら特に不安要素として捉えず、むしろその情報が少しでもオッズに還元されるなら好都合と判断し本命に。

○チェルヴィニア(1人気1着)

 2強でチェルヴィニアを上に取った理由は、オークスでステレンボッシュに0.1秒勝ち切ったという実力。過去10年オークス勝ち馬は京都開催の秋華賞をフル連対しているというデータ的側面。高速決着への対応を考えた時、ステレンボッシュの大外枠が割引材料になった。以上の点からチェルヴィニアを相手に選びました。

 結果は予想通り1分57秒1の高速決着。この時計は、今年を入れた過去10年の秋華賞で二番目に速いタイム。2015年の1分56秒9、2014年の1分57秒0に続く高速決着となりました。買い目は馬連ワイドのダブル的中。予想に関しても、高速馬場適性を活かし◎ボンドガールが2着。ステレンボッシュの出遅れもありましたが、2強が崩れなかったという点も大方予想通りの決着でした。

・最後に

 レースやコースによる傾向を覚えれば、予想の組み立て方も明確になり、そのレースにおける有利な馬、不利な馬を考察することができます。今回の秋華賞では「差し追い込み馬有利」「逃げ先行馬不利」という傾向に適性予想を絡めて印2点で的中することが出来ました。

 今回は秋華賞を一例に紹介しましたが、このような傾向(バイアス)は様々なレースやコースに存在します。その重要性を少しでも多くの人に伝われば幸いに思います。

 今後とも馬ノスケの競馬予想をよろしくお願いいたします。

(馬ノスケ)

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ウマい予想家

なぜあの馬に印を打てたのか。会心の勝利を収めたプロ予想家が、自身の的中を元にレースを振り返る予想力向上コラム。 関連サイト:ウマい馬券

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