2024年11月01日(金) 18:00
京王杯2歳Sは東京で行われる2歳重賞だが、関西馬の活躍が圧倒的に多い。最近10年間には関西馬が8勝もしている。今年は「小倉2歳S」が左回りの中京で行われたこともあり、同じ左回りのこのレースに、すでに2戦2勝のエイシンワンド(父ディスクリートキャット)を筆頭に7頭の関西馬が出走してきた。
そのエイシンワンドに「新馬→小倉2歳S」と2連敗中のクラスペディア(父ミスターメロディ)に注目したい。新馬戦は先手を奪って快調に逃げたが、マークしてきたエイシンワンドにゴール寸前に差されて0秒2差の2着。小倉2歳Sは先行したエイシンワンドを捕えきれずに2着だが、一転、差す形でエイシンワンドを0秒1差に追い詰めている。重馬場のなか、一旦は引き離されかけたが、ゴール前は届きそうな勢いで伸びていた。
今年60回を数える歴史ある重賞レース。さまざまな馬が勝ってきたが、さすがに今年のクラスペディアのような未勝利馬が勝ったことは一度もない。だが、距離が1400mに延びて直線の長い東京コース。この中間の動きも、最終追い切りの動きも光っている。逆転できる可能性はかなりあると思える。
管理する河嶋宏樹調教師は、今年3月に新規開業したばかりのトレーナーで、先週までに7勝しているが重賞は未勝利。重賞挑戦もクラスペディアの小倉歳2歳Sの1回だけ。果敢な挑戦に期待したい。
未勝利馬の重賞制覇として世界で知られるのは、1983年の英オークスを12馬身差で独走したサンプリンセス(3戦目に日本ダービーを制したフサイチコンコルドの祖母)。サンプリンセスの勝利は、クラスペディアと同じように「2着、2着」のあとの3戦目だった。
当然、強敵はエイシンワンドだが、穴馬には同じ関西馬のパンジャタワー(父タワーオブロンドン)を入れたい。出負け気味だった新馬戦の勝負強さが印象的。中間の動きは大幅に鋭くなっている。父タワーオブロンドン(その父レイヴンズパス)は、2017年の京王杯2歳Sを勝っている。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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