2024年11月08日(金) 18:00
別定戦の東京ダート1600m。展開が大きな比重を占めるレースではなく、良馬場だと近年の勝ち時計は1分35秒前後に集中している。ところが、最近10年の1番人気馬は【1-2-1-6】。波乱が多く、勝ち馬は「3歳から7歳」馬まで散らばる。
ダート【6-2-0-0】のエンペラーワケア(父ロードカナロア)、R.ムーア騎手を配してきたタマモロック(父ヘニーヒューズ)、ペイシャエス(父エスポワールシチー)あたりに人気は集中しそうだが、上位人気馬同士の決着はめったにないから、人気の盲点になりそうな伏兵に注目したい。
エンペラーワケアは、ダート1400mに1分22秒1(良馬場)の快時計があり、机上の計算ではマイル戦なら1分34秒台は十分に可能と思えるが、人気だった芝1600mのデビュー戦では差のある5着に沈んでいる。
タマモロックは重馬場のダート1600mに1分34秒3があり、今回は確実に鞍上強化だが、その快時計のレースでは、対戦したショウナンライシン(父エスケンデレヤ)に、インから強襲されて負けている。勝ち馬は1分34秒2だった。
先行馬総崩れのレースではあったが、ショウナンライシンはインから馬群をさばいて上がり35秒3。これまでとは一変の切れ味で、あれはフロック勝ちではない。柴田善臣騎手とは【2-1-0-0】となった。
ショウナンライシンは、軽種馬協会の種牡馬エスケンデレヤ(父ジャイアンツコーズウェイ)の産駒。輸入後、大半の産駒が在籍した公営競馬のダートが合わなかったのか活躍馬は少なく、今春17歳で他界した不運な種牡馬だった。
オープンに昇格して「2、1」着のショウナンライシンは、快時計で勝ちながら、今回も人気上位にはならない。だが、ようやく頭角を現したまだ4歳の上がり馬。前走と同じ東京ダート1600mで、引き続き手が合う柴田善臣騎手とのコンビなら再度の快走があって不思議はない。調教は今回の方が動いている。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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