2024年11月10日(日) 18:00
<4年ぶりに京都で行われる秋のマイル王決定戦。京都で行われた直近3年(17〜19年)の結果を振り返ってみると、連続開催の7週目で馬場が荒れてくるからか、いずれも勝ち時計が1分33秒台で、春の安田記念と比べると時計がかかっている。ペルシアンナイトが毎年馬券に絡んでいるが(19年3着、18年2着、17年1着)、ピュアマイラーというよりは1800タイプで、芝1600で勝ち時計が1分33秒0より速いと[0-0-0-5]、遅いと[3-1-2-2]とマイル戦では時計がかかったときに好走した。今年もこんなタイプが間に合う時計になるのかがまずポイントか>
…と昨年書いたが、結果は勝ち時計1.32.5で、ペルシアンナイトと同じハービンジャー産駒で秋華賞2着があるナミュールが差し切り勝ち。今年も「1800寄りの実績がある中距離寄りの血統」のほうを狙っていくべきか。欧州最強マイラー・チャリンが参戦してくるが、マイルCSに外国馬が参戦するのは2011年のサプレザ(3着)とイモータルヴァース(7着)以来。(解説:望田潤)
アルナシーム
シャフリヤール、アルアイン、ダノンマジェスティ、ヒメノカリスの甥で、母母ドバイマジェスティはBCフィリー&メアスプリント(米G1・ダ7F)勝ち。父モーリスはマイル〜2000の大レースを勝ちまくった名馬でジャックドールやピクシーナイトを輩出。モーリス×ディープインパクトはジェラルディーナやディヴィーナと同じ。この牝系のモーリス産駒らしく機動力抜群で、小倉の中京記念勝ちを見てのとおり、小回り1800がベストコースだろう。
距離○ スピード○ 底力○ コース○
ウインマーベル
ウインアイルビータの全弟で、母コスモマーベラスは愛知杯2着。ペプチドルビー〜ペプチドヤマト親子も近親。牝祖シングルブレイドはガゼルH(米G1・ダ9F)勝ち馬。アイルハヴアナザー×フジキセキはアナザートゥルースなどと同じで高確率で成功した。父のダンジグやロベルトのパワーが強く急坂コース向き。戦績どおりベスト距離は1400で、1200だとワンポジ後ろになってしまう。阪神内1400最強だが、初めての大箱マイルで行くか差すか。
距離○ スピード○ 底力◎ コース○
エルトンバローズ
ドグマやカバーガールの下で、グランプリゴールドの甥でダノンプログラマーのイトコ。母母ニュースヴァリューはJRA6勝のオープン馬。さかのぼるとアドマイヤベガやハープスターなど活躍馬が多数出る牝系だ。父ディープブリランテはダービー馬でモズベッロやラプタスなどの父。ディープインパクトとシアトルソングだから斬れ味のある配合だが、母父ブライアンズタイムでパワーや機動力も兼備し弱点の少ない1800型。マイルは少し忙しいが後傾ラップなら昨年(4着)ぐらいは。
距離○ スピード○ 底力◎ コース◎
オオバンブルマイ
母ピンクガーベラはブランボヌールやエントシャイデンの全きょうだい。母母ルシュクルはファルコンS3着でビアンフェの母。牝祖アジアンミーティアはアンブライドルズソングの全妹でダコールの母。父ディスクリートキャットはエアハリファやコンバスチョンを出すストームキャット系で、つまり本馬も「ディープインパクト×ストームキャット×アンブライドルズソング」の黄金配合。大箱向きのマイラーで、京都外マイルは最も斬れる条件だろう。
距離◎ スピード○ 底力○ コース◎
コムストックロード
ニシノメイゲツの半妹で、タツゴウゲキの叔母で、ニシノドーンの姪。・・・
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望田潤
競馬ライター。血統評論家。育成牧場従業員を経て競馬通信社編集部に在籍、そこで笠雄二郎著「日本サラブレッド配合史」の影響を強く受ける。サイト「血統屋」「競馬道ONLINE」月刊誌「サラブレ」「ECLIPSE」などで血統に関するコラムや予想を執筆中。共著「パーフェクト種牡馬辞典2018-2019」も好評発売中で、馬主・生産者の配合アドバイザーも務める。ブログ「血は水よりも濃し」http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo
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