2024年12月14日(土) 12:00 12
単勝3.4倍の1番人気ブラウンラチェットが16着に大敗し、上位を占めたアルマヴェローチェ、ビップデイジー、テリオスララの3頭ともが、前走からの距離短縮組だった阪神JF。京都外回りのマイル戦でどんな流れになるか注目したが、ペースは緩まず中団から前に位置したものが長くいい脚を使うというタフなレースに見えた。特に2歳女王になったアルマヴェローチェの追えば追うだけ伸びた末脚にこの先の可能性を感じた。
この京都開催は連続して続いているので気になるのが馬場状態。今週から、これまでのCコースから3米外側に柵を移すDコースになることで、どう変化が見られるか、ひとつのポイントになるだろう。京都外回りは3~4コーナーの下り坂が特徴で、外を回ると振られる不利があるので、Dコースになれば余計内を狙うものが増えるかもしれない。こんなことを考えながら、ペースが緩まないこのマイル戦がどうなるか、推理してみたい。
先週は多数出走したキズナ産駒が総くずれに終わったが、今週はモーリス産駒が3頭出ているので少し気にしてみたい。朝日杯が中山でやっていた頃にレコードで優勝していたグラスワンダーの血を継いでいて、スクリーンヒーローが父馬。これまで大阪杯のジャックドールを出してきた。
粘り強そうな雰囲気を思うと、今年はアルテヴェローチェにチャンスがあってもおかしくない。サウジRCを勝って2戦2勝、自分のリズムでレースが出来れば、大外から目の覚めるような末脚を見せた前走のような走りが期待できる。
これに0秒1差の2着だったのが、やはりモーリス産駒のタイセイカレント。出遅れたため腹をくくって最後方に構え、勝ち馬を上回る最速の上がりで迫っていた。初戦は中京で逃げ切っていたが、馬郡をぬうように伸びてきた前走から、この馬の可能性に期待してみたくもなっている。
もう一頭のモーリス産駒アドマイヤズームは、他馬とぶつかりリズムをくずしたデビュー戦から、2戦目の京都内回りでは一変して好タイムで差し切っていた。キャリア3戦目。一発を狙ってみたい。
タフな馬場を得意とするバゴ産駒だが、今年は2戦2勝のトータルクラリティが、久々に実戦を迎えている。デビュー戦の京都のマイルは最速の上がりで勝ったが、2戦目の新潟2歳Sは雷鳴とどろく中、良でもヤヤ重に近い馬場で奮戦、残り200米で先頭に立ったものの交わされ、再び差し返す勝負根性を発揮していた。悪天候で最終レースが中止になる状況だったが、鋭気を養った今回、もう一度その強さを見せてもらいたい。
前走からの距離短縮組からは、前走スタートで立ち遅れながら、その後流れに乗せて走り、最後は3馬身差で圧勝した3戦2勝のミュージアムマイルを取り上げたい。父リオンディーズは新馬を勝って2戦目でこの朝日杯FSを勝っていた。あとは枠順をみて。
「マイルでの 2歳王者で 頂点を」
長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。