2025年03月08日(土) 12:00 13
弥生賞ディープインパクト記念の勝ち馬からディープインパクト以外にミスターシービー、シンボリルドルフと3冠馬が生まれているが、こうした傑出した名馬は別格で、時折クラシック馬は生まれていても、他の前哨戦にくらべて特別扱いするほどのことはないと承知しておくべきかもしれないのが、このトライアルだ。
ただ、クラシックへの弾みをつけたいと思っているのは、どの陣営も一緒なので、そこが厄介なのだ。
中山の2000米なのに、最近の勝ち馬からダービー馬や菊花賞馬は生まれているのに、こと皐月賞馬に限ると15年前のヴィクトワールピサまでさかのぼらなければならない。
ただ皐月賞の2着馬にはこの4年で3回もここの勝ち馬がなっているので、当然のことながら全く無視はできない。
ただひとつはっきりしているのは、レースの中身が違っていること。このトライアルはペースが上がることはほとんどなく、その落ち着いた流れの中、どう立ち回れるかが大きなポイントと言っていいだろう。
昨年は、前半1000米が60秒4、ペースが遅いと読んだコスモキュランダのM.デムーロ騎手は、2角で外に出し3角手前から2番手に進出していた。末脚の持続力がある馬で、これが本番皐月賞2着につながっていたと見ていいだろう。
今年もそんなに速くはならないと見て、少ないキャリアの中でも、ここまでどんなレースをしてきたかに注目した。
まず、2戦2勝のヴィンセンシオを。新潟2000米の新馬戦を勝ったときが超スローな流れ2、3番手で折り合いをつけ、最後のせり合いで差し返して勝っていた。そして2戦目が中山2000米の葉牡丹賞で、6番手からせり合いに持ち込んで、ハナ、アタマの接戦を制して2歳レコードで制していた。
オークス馬シーザリオを祖母に持ち、この勝負強さを受け継いでいるとなれば、無傷の3連勝も可能性が高いと狙ってみたくなる。
もう一頭の無敗馬2戦2勝のナグルファルは、どちらも京都の2000米でレース最速の上がりをマークしていた。
前走のエリカ賞は4馬身差の圧勝で、小回りコースも合いそうだが、中山の急坂が課題。折り合いも含めて、どうこなすか見る必要はある。
セレクトセールで高額がついていたジュタは、1月の若駒Sで2勝目を挙げてようやく期待に応えてくれた。スローでも冷静に対応できていたので、18頭立て16番枠で苦戦したホープフルS4着の経験が、今度は生きると考えてみたい。
朝日杯FS2着のミュージアムマイルは、マイルは忙しかったとみて、黄菊賞2000米3馬身差の快勝の方を評価したい。デビューから4戦して2勝、あとは2、3着1回ずつと、堅実に走っており、GI2着の底力を。
「しっかりと 結果を出して GIへ」
長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。