天の川S

2006年08月11日(金) 19:50

 人気のソーユアフロストは、とくに強烈な切れ味を秘めるわけでもなく、また、圧倒的なスピードを持つわけでもないが、距離2000〜2200mのスロー〜平均ペースではまず崩れない。とくに良績の集中するのが左回りの2000m(東京、新潟)で、これまで7戦して1、1、1、1、1、2、2着。ほぼパーフェクトに近い。

 強力な武器がないかわり、粘り強くまずバテない渋いレース運びが、長い直線と、のびのび走れるコースで生きてくるのだろう。

 ここはそのソーユアフロストにとって、予想される流れも、コース、距離もベスト。この1600万条件の2000mは、0.1秒差、0.0秒差の惜敗が2回だが、今回こそだろう。とくに強力な、光る持ち味がないのは父コマンダーインチーフの特徴そのものともいえる。

 輸入馬の母バルチックチル(父ダンチヒ)からは、これといった活躍馬は出ていないが、母の半兄は83年のベルモントSを制したキャヴァート。サニーズヘイローの勝ったケンタッキーダービーも3着だった。

 また、母といとこで同じダンチヒ産駒の牝馬ノースオブダンジグも日本に輸入され、こちらはマチカネアカツキ(ダービー3着)などの母になっている。

 相手は一長一短だが、関西馬フェイトトリックスは、同じ左回りの中京芝[2-0-2-0]をベストとし、2000mも理想の距離。ソーユアフロストをマークできる自在脚質。この馬を相手筆頭としたい。トウショウシロッコがこれに続き、穴ならコスモインペリアル。ポン駆けOK、また新潟[2-2-0-2]のコース適性をもっている。人気薄でも侮れない。

 札幌のメインは、すんなり単騎逃げの公算大のロードアルティマの勝機。ちょっとモロい一面もあるが、ハナを切ってしまえば簡単にはバテない。16歳も離れているが、名種牡馬ゴーンウエストの弟。アメリカ血脈が濃く、ほとんど平坦の札幌コースは合うこと必至。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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