【中日新聞杯予想】波乱をもたらすハンデ戦 復調気配の7歳馬リフレーミングに期待

2025年12月12日(金) 18:00

もうひと花咲かせられるデキに戻っている

 4歳の上がり馬シンハナーダ、ファミリータイム。好調5歳のシェイクユアハート中心のレースだが、毎年のように波乱をもたらすハンデ戦。前走あたりからやっと復調気配の7歳馬リフレーミング(父キングヘイロー)を候補に入れたい。

 前走の「福島記念」2000mは8着止まりだが、上がり最速タイの「33秒6」で伸びて勝ち馬と0秒6差だけ。差し一手の脚質なので仕方がないが、馬群に包まれるシーンがあり、脚を余した印象が残った。脚部難に悩まされた6歳後半から2桁着順が続いていたが、明らかに体調は良くなっている。もう7歳の秋、チャンスは限られるが、もうひと花咲かせられるデキに戻っている。

 騎乗するのは、USA遠征で勝ち鞍を重ねて重賞も制し、失意から立ち直っているミルコ・デムーロ騎手。彼は自分でも「精神的に好不調の波が大きい」と認めるジョッキーだが、現在は本来のM.デムーロ騎手に戻っているはずだ。
リフレーミングは不振に陥る前の6歳夏、今回の中京で行われた「小倉記念」を、現在も更新されていないコースレコードの「1分56秒5」で差し切っている。

 父キングヘイロー(その父ダンシングブレーヴ)は、種牡馬引退後の2019年に24歳で他界した。同じダンシングブレーヴ直仔の種牡馬コマンダーインチーフには現役産駒はもういない。ホワイトマズルには公営に11歳の産駒が1頭残っている。キングヘイロー産駒は公営に10頭近く残っているが、リフレーミングはダンシングブレーヴ直父系産駒のJRA在籍馬最後の1頭になる。

 母の父バトルプランは、父のエンパイアメーカーと同時期に輸入された種牡馬。父は産駒の大活躍で5年間の供用でUSAに戻ったが、バトルプランは大成功ともいえず、2021年に種牡馬引退。一方、来春からエンパイアメーカーの孫世代になるアメリカンファラオが1年契約で来日する。エンパイアメーカー系は、こと日本では評価流転の父系。バトルプランを母の父に持つ現役馬はきわめて少数だが、リフレーミングには父キングヘイローだけでなく、母の父バトルプランを再確認したくなるような快走を期待したい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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