2025年12月18日(木) 18:01
▲調教師試験に合格した藤岡佑介騎手に向け、伝えたい想いとは(撮影:福井麻衣子)
「無事に受かって本当によかった」。2度目の挑戦で、難関の調教師試験を見事突破した藤岡佑介騎手。その喜ばしい結果に、誰よりも自然体で、そして心から喜んだ川田将雅騎手。競馬学校で出会ってから25年。同期として仲間として、ときに支え合い、ときに刺激し合ってきたふたりの関係性は、年齢を重ねたいま、より穏やかで、より強固なものになっています。
調教師・藤岡佑介の誕生を前に、川田騎手が語ったのは、能力論だけではない“人としての佑介”と、同期20期生をつないできた存在の大きさでした。これからのふたりにどんな未来が待っているのか──川田騎手が胸の内を明かします。
(取材・構成=不破由妃子)
──川田さん、ついに同期から調教師が誕生しますね。
川田 よかった、よかった。無事に受かって本当によかった。去年はトライしてみるっていう感じだったと思いますが、今年は万全の準備をして臨んだはずですからね。そんな佑介でも足りないとなったら、ほかのジョッキーたちは絶望するしかない(笑)。佑介は人としても賢いけど、勉強もできる地頭のよさを持っています。だから、調教師を目指すほかのジョッキーのためにも、スムーズに受かってくれないとね。なんせ希望がなくなっちゃうから(笑)。
──川田さんは以前、「調教師になることはまったく考えていない」とおっしゃっていましたが、ちょっと興味が湧いてきました?
川田 僕も40歳ですからね。ジョッキーとしての終わりとそれ以降を考えることはありますが、今のところはまったく現実的ではないです。藤岡佑介厩舎を軌道に乗せるのも僕の仕事だなと思っているくらい。
──再来年に開業するとして、一般的に厩舎が軌道に乗るまでには数年は掛かると言われています。となれば、川田さんがセカンドキャリアを考えるのは、確かに時期尚早だ。
川田 せめて45歳くらいまでは、ちゃんと体が動き続けてくれることを願います(笑)。
──佑介さんについて、以前から「調教師向きだ」とおっしゃっていましたが、佑介さんのどういった部分が調教師として生きてくると思いますか?
川田 まずは、応援しようと思ってくれる人のほうが圧倒的に多い人間性の持ち主です。目上の人には可愛がられ、後輩からは慕われ、いろんな人に愛されるのが佑介ですから。その上で、佑介は人を使うことも上手だし、ただ人当たりがよくて優しいだけではなく、ドライな面もある。必要とあれば、バサッとやる決断力もありますからね。そういうメリハリがあるところも経営者向きだと思うし、何かの決断を迫られたときも、冷静に正しい選択ができるタイプ。経営者として必要な要素をたくさん持っていると思いますよ・・・
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川田将雅
1985年10月15日、佐賀県生まれ。曾祖父、祖父、父、伯父が調教師という競馬一家。2004年にデビュー。同期は藤岡佑介、津村明秀、吉田隼人ら。2008年にキャプテントゥーレで皐月賞を勝利し、GI及びクラシック競走初制覇を飾る。2016年にマカヒキで日本ダービーを勝利し、ダービージョッキーとなると共に史上8人目のクラシック競走完全制覇を達成。
プロフィール
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コラム
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