2025年12月19日(金) 18:00
GIII「ターコイズS」は今年が11回目の新しい重賞。創設されて過去10回なのでまだデータは不足だが、この時期だけに明快な世代交代を告げる記録はある。3歳馬の連対が6頭。4歳馬が10頭。5歳馬が4頭。5歳以下の若いグループが「全連対馬20頭」を占め、6歳以上馬の連対は0頭だ(3着馬も2頭だけ)。
とはいえ、過去10年とはたった10回だけのこと。分かりやすい傾向ではあるが、データとするには回数不足。つい3カ月前の「京成杯AH」を1分31秒3で勝った7歳ホウオウラスカーズ、1分31秒4で2着の6歳ドロップオブライト、2023年にこの重賞を2着している6歳フィールシンパシーは軽視していいのか。たしかに年齢は重要な要素だが、そこまで決定的な記録でもない。
波乱含みの牝馬のハンデ戦。ここは前走の対戦相手(レースレベル)を重視して、5歳ウンブライル(父ロードカナロア)から入りたい。その「富士S」1600mは前半1000m通過58秒3のスローに近い流れを、ガイアフォース、ジャンタルマンタル、ソウルラッシュなどGI級の強敵相手に、上がり33秒2で0秒4差の5着だった。
その上位3頭を上回る上がりで伸びたから、同じマイル戦でもさらにきついペースが予測される中山1600mの今回は展開の不利はない。
中山コースの経験は一度だけだが、3歳春のニュージーランドTを大外の15番枠を克服して、終始外を回りながら1分33秒9(上がり最速の35秒3)での2着がある。そのときもC.ルメール騎手だった。コンビで2勝している。
3歳、4歳馬が強敵はたしかだが、京成杯AHを好タイムで1、2着している前出のベテラン牝馬2頭の評価を下げたくはない。4歳ボンドガール[1-6-1-5]の評価はみんなが迷いそうだ。状態の判断は難しいが、良化はスローの気がする。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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