【朝日杯FS】今年の見どころはエコロアルバとアドマイヤクワッズの対決

2025年12月20日(土) 12:00

無敗で重賞を勝った馬が勝利への最短距離か

 重賞ウィナー不在の大混戦の中で行なわれた2歳女王決定戦の阪神JFは、マイル経験のないスターアニスが勝利した。

 今週の朝日杯FSは2歳のマイル王者を決めるレースだが、可能性を秘めた若い馬たちだから、マイル以上は未経験であっても、一概に切り捨てるわけにはいかない。だが、無敗で重賞を勝った馬が3頭もいれば、これらの取捨から考えるのが当然と言っていい。

 この10年、重賞を勝った無敗馬は5勝して2着3回と好成績。このうち、勝った重賞をみると、サウジアラビアRCが3勝2着1回、デイリー杯2歳Sが2勝2着2回となっている。やはり、勝利への最短距離にあると言っていい。

 今年は、サウジアラビアRCがエコロアルバ、デイリー杯2歳Sがアドマイヤクワッズで、無敗のマイルチャンピオンを狙ってきた。どちらも、その脚質から、マイルで広いコースの方が走りやすい馬だから、この対決は今年の見どころのひとつだ。

 もう一頭の無敗の重賞勝ち馬は、新潟2歳Sを圧勝したリアライズシリウスだが、この組は4年前のセリフォスの2着があるだけで少し分が悪い。ただ、2戦2勝の内容が際立っているので、この満を持しての挑戦には大きな野望が感じられる。

 この3頭の無敗馬の中では、まずエコロアルバを。サウジアラビアRCで上がり3ハロン33秒2でまとめて交わした脚は、ワンターンの広いコース向きだ。心肺機能の強さで勝ち切る強さを感じる。

 デイリー杯2歳Sは2歳コースレコードが生まれたようにハイレベルな戦いだった。これを最速の上がりで勝ったアドマイヤクワッズは、スピードに切れ味という武器を持っており、当然勝負根性もある。東京と京都と異なるコースで連勝していて、対応する力は相当あると思っている。

 リアライズシリウスは、派手な勝ち方が印象深い。東京の新馬戦が7馬身差の逃げ切りで、新潟のマイル重賞は2番手から抜け出して4馬身差だった。6月と8月で連勝したが、成長を十分に促す効果を期待してみたい気もする。スピードを持続して長くいい脚を使えたら、来春が面白くなるだろう。

 先週からの流れを汲めば、これまでの5戦全てが1400米以下という、京王杯2歳Sを3馬身差で勝ったダイヤモンドノットを考えてみたい。1200米から1400米と距離を延ばしてから安定して走っており、マイルをこなせる下地は出来ていると思う。

 最後にデイリー杯2歳Sでアタマ差の2着だったカヴァレリッツォも加えておく。ハイレベルなレースで勝ち馬との勝負づけは終わっていると思う。今回は3戦目だが、中京の新馬戦1600米では5馬身差の圧勝をしていた。能力はある。

「飛躍待つ 朝日に輝く マイル王」

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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