2007年01月09日(火) 23:52
アメリカから、今季の古馬戦線をリードするであろう有力馬たちの情報が、続々と飛び込んできている。
1月5日にニューヨーク州のアケダクトで行われた一般戦(ダート8.5F)に出走したのが、昨年のベルモントS勝ち馬ジャジル(父シーキングザゴールド)だ。ベルモントSの後、右後肢の管骨を傷めて休養していたジャジル。ようやく態勢が整い、およそ7か月振りに走った一般戦は、逃げたテイクザブラフを捉えきれず2着に敗退。しかし、久々に加えて、逃げ馬に有利な馬場状態だったこともあって、管理するキアラン・マクラフリン師は、「予測の範囲内。明らかにひと叩き必要な状態だったし、今日の結果には満足」と、余裕のコメントを残した。次走は、3月3日にガルフストリームパークで行われる、G2ガルフストリームパークHの予定だ。
その2日後の1月7日、ベルモントパークのメイントラックで4fから追い切りを掛けられたのが、ジャジルと同厩舎のBCクラシック勝ち馬インヴァソール(父キャンディストライプス)だ。同じマクラフリン厩舎のフォアコートを1馬身後方から追いかけたインヴァソールは、ゴールポストではぴたっと併入し、4f=48.6秒の時計をマーク。BC後も順調に来ていることをアピールした。
インヴァソールの当面の目標は、2月3日にガルフストリームパークで行われるG1ドンH。その後は、3月31日にナドアルシバで行われるドバイWC参戦が予定されている。
東海岸のインヴァソール同様、07年の緒戦に向けて着々と出走態勢を整えつつあるのが、西海岸の雄・ラヴァマン(父スルーシティスルー)だ。06年、西海岸の古馬3大ダートG1完全制覇をなし遂げたラヴァマンだが、陣営が今季の緒戦として見すえているのは、1月27日にサンタアニタで行われるサンシャインミリオンズ・ターフだ。昨年は、同じサンシャインミリオンズの「クラシック」に出て勝利を飾ったラヴァマンだが、今年クラシックの舞台となるのがフロリダのガルフストリームパーク。昨年6月に芝のハリウッドパークのG1チャーリーウィッテイングハムHを勝っているように、芝・ダート両刀遣いが出来るラヴァマンだけに、今年は同じサンシャインミリオンズでも「ターフ」に矛先を向けることになったのだ。
管理するダグ・オニール師によると、今季のラヴァマンはそのまま芝路線を歩む可能性もあるとのこと。その一方で、陣営からはドバイ遠征の話もちらほらと聞こえてきており、ラヴァマンがどこを目標にするかはまだ流動的なようである。
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合田直弘
1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。