宝塚記念から感じ取ったもの

2007年06月27日(水) 20:50

 史上最多の18頭で行われた宝塚記念から感じ取ったもの、それは日本と海外とを繋ぐ競馬が現実化しているという事実だった。

 3月のドバイデューティフリーを制していたアドマイヤムーンには、英国からキングジョージVI世&クイーンエリザベスダイヤモンドSへの招待が来ていて、国際競走の宝塚記念を勝ち、これからの選択肢が広がっている。めざすは年度代表馬ということだが、秋の天皇賞なり、暮れの香港国際競走なり、いずれかの成績次第では、かなり有力だ。春のGI戦波乱の余波は、この一年の後半戦に大きな影響を与えていくが、中距離での強さは世界も認めている。

 一方、ムーンとのマッチレースに惜しくも敗れたメイショウサムソンは、マークされての際どいレース振りに、秋の凱旋門賞遠征に弾みがついた。厩舎が移ったこの春の3戦を見ていると、古馬になった強味を感じる。坂路を多く取り入れたトレーニングの成果が出ていると思われ、競走馬として順調にステップアップしている。

 もう一頭のウオッカは、初めて苦杯を舐めることになったが、3歳牝馬のダービー馬の挑戦は、果敢だった。新しい歴史を切り開く役割を担った馬で、この時期での凱旋門挑戦が目新しい。

 ディープインパクトのときふと思った、凱旋門賞に出走するなら是非複数馬で戦ってもらいたいという願いがかなうかどうか。また3歳馬が有利なのだから、日本からも3歳馬が行ってほしいという夢、これはとても無理だろうと思っていたが、もしかしたら現実にしてくれるというのだから、ウオッカ陣営の決意が実現する方向にすすんでくれることを切に願っている。

 宝塚記念が、今後も盛り上がりを見せるかどうかは、これら世界の舞台を目標とする馬たちの今後の活躍にかかっている。日本のキングジョージ、再びこう呼んでみたい。

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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