血統はなかなか奥が深い

2007年07月04日(水) 17:50

 各地で始まった新馬戦、確実に競馬は動いていく。それとともに語られる新しい種牡馬たちのこと。どれだけ血統に精通しているかで、競馬を語る幅が広がるのだが、そればかりに頼っていると現実を見失うので用心しなければならないこともある。だが、知るは楽しみなりだから、この時期、少しはそちらに耳目を傾けておきたい。

 今年のクラシックレースから、スーパーサイアー、サンデーサイレンスの名が消えた。

 だからということでもないだろうが、この春のクラシックは掴みにくいところがあり、その分、荒れたのだとも言えた。

 種牡馬の数は年々減っていて、今年種付けをしたものが315頭、去年にくらべて25頭のマイナス、これで16年連続減少したことになった。

 これについては様々な考え方がなされているが、はっきりしているのは、サンデーサイレンスの血を引く種牡馬が増加していることだ。現在、サンデーサイレンス系種牡馬の数は75頭にまでふくれあがり、その中での生き残りも大変なことになっている。種付頭数から見れば、一年の生産頭数の30%近くがSS系ということになりそうなのだ。

 当然、こういうときだからこそ、これとは別の血統が注目されていくのだが、今年初めて産駒をターフに送り出す新種牡馬を分類してみると、SS二世が11頭に対し、ノーザンダンサー系が18頭、ミスタープロスペクター系が9頭となっている。この三つの系統だけで全体の8割を占めているのだから、是非、これだけは掌握しておきたい。

 それぞれの系統、中でもノーザンダンサー系は、重厚なヨーロッパ系と軽快なアメリカ系とはっきり分かれているので、この違いはつかんでおく必要があるし、SS系は牝系の特徴を産駒に伝えることが多いので、その点個々の馬たちの特徴を知っておくことが大事といった具合に、なかなか奥が深い。

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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