2007年07月24日(火) 23:49 0
ようやく今週になって日高地方にも本格的な暑さが訪れた。週末の土日はここ浦河のJRA日高育成牧場特設会場で「うらかわ馬フェスタ2007」が開催される。
一昨年までそれぞれ別個に開催していた「シンザンフェスティバル」と「浦河競馬祭」が合体し、昨年より同じ日程で実施されるようになった。
28日土曜日には「第22回シンザンフェスティバル」としてサラブレッド馬上結婚式(公募し3組が決定している)、カントリーパーティー、JRAの全面協力により岩手の「チャグチャグ馬コ」を披露したり、生バンド演奏などもあって華やかに前夜祭を行なう。
翌29日は、アンダルシアン(馬演技)やトリックホース(ポニー演技)、JRA施設見学会など予定されているが、メーンは「浦河競馬祭」である。
浦河ポニー乗馬少年団は、去る5月3日に門別競馬場で道営ホッカイド競馬のアトラクションとして遠征しポニー競馬を披露したが、今回はそれ以来のレースとなる。団員たちは先週20日金曜日より本番の29日まで、原則として毎日「強化練習」に励んでいる。
現在、浦河ポニー乗馬少年団は、小学校1年生から6年生までの23人が在籍。毎週金曜日の夜に町の乗馬公園にて練習を行なう。今年は7人の1年生が新たに入団し、現在調馬索を使っての基礎訓練の真っ最中である。
入団後、やがて何年か経つと、子供たちは徐々に「競馬」へ視線が移ってくる。もともと団員は牧場関係者の子弟が多いことから競馬に対する抵抗はなく、むしろ(たとえ草競馬であっても)競馬への憧れは強いのだ。その晴れ舞台の一つが地元で開催される「浦河競馬祭」なのである。
とはいえ、いくらポニーでも常歩から速足、そして駆足とステップアップする過程で、子供にとっては抗いがたい恐怖心が出てくる。それを克服しなければレースへの出場ができないわけで、いわば子供ながらに「自分との闘い」が課せられるのである。こうした経験を通じて、子供たちは徐々に成長して行く。
草競馬のための強化日程では、少年団OB(といっても中学生や高校生たち)が伴走してアドバイスをする。それぞれの性格や技術を見極め、「乗り馬」を決めるのは結構大変な作業になる。同じポニーといっても、体格も競走能力もピンからキリまで。それが16頭もいるのでかなりの難事である。
来週のこの欄で詳しく触れるつもりだが、本番を前にしての練習風景だけでもなかなか見ごたえがある。夕闇迫るたそがれ時に、黙々と騎乗訓練にいそしむ小学生たち。先ごろNHK室蘭放送局が少年団の練習風景を取材に訪れた。29日の浦河競馬祭の本番にまた続編を収録し、その模様は8月10日のローカル番組(胆振ディ日高)にてオンエアされる予定という。
さて、最後にもう一度、簡単に告知を繰り返す。「うらかわ馬フェスタ2007」は7月28日(土)と29日(日)の両日にわたり、JRA日高育成牧場内特設会場にて開催される。28日は午後6時よりスタート。もしお時間とご都合の許す方がおられたらぜひお越しいただきたいと思う。二日間にわたる馬づくしのイベントが繰り広げられます。
田中哲実
岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。