うらかわ馬フェスタ2007開催

2007年07月31日(火) 22:00 0

 7月28日と29日の二日間にわたり、恒例の「うらかわ馬フェスタ」が開催された。従来この時期に単独で行なわれていた「シンザンフェスティバル」と、10月第一日曜日に開催されていた「浦河競馬祭」が合体し、「うらかわ馬フェスタ」となったのは昨年のこと。これに昨年は「エンデュランス」(馬のマラソン競技)が加わっていたのだが、今年は中止となってしまい、上記二つのイベントだけとなった。

 28日(土曜日)は、朝からあいにくの大雨にたたられ、夕刻からのシンザンフェスティバル開催が危ぶまれたものの、午後になり雨は小降りとなって、どうにか霧雨程度にまで回復した。野外イベントはこうした天候の影響を受けてしまうのが唯一の泣き所だが、かえって一雨降ったことでやや涼しい絶好の気温にはなった。ただ時折、小雨が降り、早々に引き揚げる来場者が多かったのはちょっと残念だったが…。

ミスシンザンのお2人

 フェスティバルは午後6時に開幕。まず今年の第22代ミスシンザンが発表され、水野ルリナさんと石田珠季さんが紹介された。その後、GI優勝馬生産牧場表彰では、メイショウサムソン(天皇賞・春)の生産者・林孝輝さんが表彰され、札幌より駆けつけたHTB局の漣彰人アナからインタビューを受けた。

馬車で会場に向かう佐藤夫妻

 メーンのサラブレッド馬上結婚式は6時半にスタート。数多くの応募者から選ばれた三組が次々に馬車に乗って入場すると場内を埋めた来場者から拍手と歓声が上がった。

3組の夫婦

 今年選ばれたのは東京都の瀬口和也さん(25)と千恵子さん(27)。福島県の佐藤泰彦さん(29)と里子さん(27)。山口県の高瀬郁夫さん(35)と雅美さん(27)の三組。通常は二組だが、それぞれ、浦河町や競馬などに縁のある人々で、選考会では甲乙つけ難いくらいに横並びの高得点となったため、異例の三組による結婚式が実現したわけである。

熱烈に口づけを交わす

 舞台に並んだ三組のカップルは、指輪の交換を行い、司会者に促されてそれぞれ「唇を合わせる」サービス?まで披露した。クライマックスでは三組同時に「愛の火」を灯すと会場は一気に祝福ムードに包まれた。

 その後、チャグチャグ馬こ(岩手県)ご一行の踊りやオールディーズのバンド演奏などが続き、会場に詰め掛けた人々は、ジンギスカンとビールに舌鼓を打ちながら夜遅くまで楽しんでいた。

浦河競馬祭

 明けて29日。JRA日高育成牧場の1600m馬場を使っての「浦河競馬祭」が開催された。数えて今年は41回。今や日高で行なわれる草競馬はここだけである。しかし、この時期、日高の牧場関係者はかなり多忙で、出走馬を確保するのが困難な状況になっている。今年も軽種(サラ、アラなど)のエントリー(6頭?)が少なく、主催者側を慌てさせた。私が思い出すのは予選3レースに計30頭近い頭数のサラブレッドが集まった20年も前の光景だが、生産地を取り巻く環境が変わってしまったということなのか。

 結局、浦河競馬祭の出走馬確保に大きく貢献しているのが、先週紹介した「浦河ポニー乗馬少年団」である。大小合わせて16頭がエントリーし、草競馬を大いに盛り上げた。

晴れて“競馬デビュー

 私事ながら、我が末娘(小学校4年生)も、今年晴れて“競馬デビュー”した。第6レースの「ポニーサマーダッシュB」(距離300m)に8頭立ての4番で出走。結果はブービーだったが、落馬せずに何とかゴールインできた。

 本人は「勝ちたかった」そうだがやはりまだ技術的な壁があり、もっと訓練する必要がある。とはいえ、乗馬を始めて4年目で初めての競馬は、おそらくかなりの“成長”をもたらしてくれたものと思う。

 9時半にスタートした浦河競馬祭は午後2時半までの間に全11レースを消化。この日も小雨が時折降るあいにくの空模様だったが、多くの観客に見守られて、予定通り終了した。

トリックホースの演技

 なお、JRA日高育成牧場より馬イベントとして、今年は“チャグチャグ馬こ”の他、アンダルシアンとトリックホースを提供していただいた。馬にこだわった馬産地ならではのお祭りとして、これらの「馬種目」は毎年観客を大いに楽しませてくれている。前夜の馬上結婚式に登場する馬車もまたJRA日高育成牧場からの「借り物」である。本来ならば地域のイベントである以上、自力開催が原則だとは思うが、実質的にはJRAの存在なくしては成り立たない行事なのだ。こうした依存体質はあまり褒められたものではないが、現状ではやむを得ないのかも知れない。シンザンフェスティバルも浦河競馬祭も、全てを民間活力だけで賄えるのならば、本当に素晴らしいことなのだが…

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田中哲実

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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