2007年09月26日(水) 12:00
競馬をこう考えると、また楽しい。短期の展望と長期の展望をするのだ。前哨戦からトライアル、そしてタイトルのかかるGI戦という流れは、短期の展望だ。一方、その馬のデビューから現役馬としての将来を大きく見通すのが長期の展望で、お天気に短期予報と長期予報とがあるようなものだ。
毎週毎週のレース検討は、短期の展望の最終章で肝心要なのだが、競馬を味わい深く堪能するには、長期の展望に限る。
最近の馬では、シンボリクリスエス、ゼンノロブロイは、比較的長い展望の中から出てきた成功例と言えるが、抱いたイメージ通りの現役生活を送ってくれ、満ち足りた思いにさせてくれた。
こうした年度を代表する活躍馬を誰よりも早く見つけるのが長期の展望の醍醐味で、残念ながらここ一両年は、そういう馬にめぐり合っていない。ディープインパクトのような名馬は、滅多に出現するものでもなく、万人が素晴らしいと絶賛するのだから、ただただその凄さをしっかり見届けておくしかない。こういう強豪に逆らうと、自分が惨めになるだけだ。短期も長期も、展望を試みる必要もないのだ。
長期の展望をするには、デビュー戦の頃から目鼻を付けておくのが一番で、そのレース振りに加えて、氏素姓からイメージをつかむようにできたらしめたもの。細かく述べたらきりがないが、だいたいのところは血統からつかんでおきたい。それでも、血統至上主義が通るほど競馬は簡単ではないから、やはりレース振りは、しっかり見ておきたい。
デビューしてから2、3戦でその馬の長期の展望をするのだから、厳密でなくてもいい。あくまでも、プラス思考で前向きの展望、これが大切だ。常日頃からこんな思いで競馬を見ていると、いつの間にか気になる馬が出てくることがあり、その瞬間をつかむ。チャンスの神様は、向こうからやってくるのだ。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。