2007年10月24日(水) 13:20
ダービー馬が出ていなければ、その2着馬が勝つ。ましてその馬にダービー騎手が騎乗しているのだから、菊花賞優勝の最短距離にあって不思議はない。競馬がそんな単純なものではないと知っていても、結果がそうなるとこだわってみたくなる。
秋華賞のダイワスカーレット、そして菊花賞のアサクサキングス、内回りと外回りの違いはあっても、京都のGIレースはひとつの勝ちパターンがはっきり見えていた。好位置につけ、早めに動いて長くいい脚を使えるタイプ。直線コースが平坦だから、これなら直線強襲型を完封できる。敗れたウオッカ、ベッラレイア、ロックドゥカンブ、ドリームジャーニー、そんなに弱いとは思えない。所変われば、きっと別の可能性が出てくる筈。それだけ、力は接近しているし、レベルも高いと思っている。どの馬も力があるから、ちょっとした条件の変化で勝ち馬がめまぐるしく変わるのが今の競馬だと承知してきた。これは間違ってはいないと思っている。
特に今年の3歳牡馬は、コース・距離が変わるたびに着順が入れ変わってきた。だからレベルが低いのかと言うと、そうではない。
事実、菊花賞の内容を評価する声が高いではないか。成長があったとは言え、元々素質がなければそうにはならない。
その中でアサクサキングスは、父にイタリアダービー馬ホワイトマズルを持つその脚質が、淀の3000mを戦うのにぴったりであったということに加え、ダービー2着の実力馬であったということだ。
ここ2週、京都の檜舞台を駆け抜けた有力馬たちの次のステージがどこになるのか、とにかく興味は尽きなくなってきた。
そして、秋の天皇賞。東京の長い直線の坂をどう戦うか。それぞれの得意の戦い方があって、そこに自らを導くことのできたものに栄冠が待っている。競馬の奥の深さを見極める大一番だ。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。