2007年12月19日(水) 14:03
今年のひと文字漢字が「偽」、世の中、呆れることばかりだった。ひとつひとつ論じるのが馬鹿馬鹿しいくらい、せめて自分の身は自分で守る精神でないとと、巻き込まれぬようにしているのだが。
このご時世、我慢、粘り、しぶといの言葉が生きてくる。競馬だってそうではないか。
特に、この時期の馬場がそうさせているようだ。洋芝でオーバーシードされた馬場は、お天気のときだって持久力がもとめられる。
持続するスピードでないと、この馬場はのり切れない。一連の秋のGI戦を見て、我慢、粘り、しぶといの言葉が頭に浮ぶのも、こうした馬場のこともあるのかなと思う。
さてこういう情況の下、レースはどうなっているのか、仮説を立ててみた。
今の競馬は、スピード化している。より強くはより速くによってなされている。スタミナよりはスピード重視の結果、生産される段階から、念頭におくのはスピード。言ってみれば、今ターフを走っている馬たちの多くは、より速くをテーマに鍛え上げられてきたことになる。
それがレースにどう反映しているかだが、短距離と中長距離とでは、その中味は正反対になるケースが多いように思う。
スプリント能力を競う中山のフェアリーS・1200m、ここ3年の上がり3Fは36.5秒、35.9秒、36.9秒で、圧倒的に前半が速く、終いは、我慢、粘り、しぶとい馬たちの競り合いになっている。
これに反し中長距離戦になると、距離を意識しているかの如く、道中はゆっくりのペースになり、本来は狙えず筈のタフな追い込みタイプでは間に合わない展開になることが多いように見える。先行して粘り強い馬、これでないと勝てない。派手さはなく地味に映るから、どうこちら訴えてこないのだ。
このことを有馬記念2500mでしっかり検証してみよう。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。