2008年02月13日(水) 18:50
レースを重ねる毎に混迷の度を増す牡馬クラシック戦線。例年、共同通信杯からこの先が見えてくることもあるのだが、今年は、戦国の様相を深めるばかりで、いつになったら下馬評に上げていい確たる候補馬が出現するのか。これでは、きさらぎ賞で際立つ勝ち方の馬が出ないことには、当分、この状況が続くことになりそうだ。
三冠第1弾の皐月賞が4月20日、ギリギリの直前まで混沌とした状態であるなら、ひょっとしたら彗星の出現も夢ではない。ちょっと古い話しになるが、トウショウボーイが登場した1976年を思い出す。
トウショウボーイのデビューは遅く、3歳になった1月31日の新馬戦だった。圧倒的なスピードで一気に3連勝し、4戦目で皐月賞馬に上りつめていた。テンポイントがライバルにいた春だ。彗星のごとくと呼ばれたトウショウボーイが、どんなステップを踏んで皐月賞馬になったかを振り返ってみるのも興味深いのではないだろうか。
1月にデビュー勝ちして、2月22日の東京最終日で2戦目をダート戦で勝利。そして第3戦が3月20日の中山の特別戦。1800mを逃げ切って、4月25日の皐月賞では2番人気に支持されていた。
この年の皐月賞は、厩務員争議のもつれから延期されて東京競馬場で行われ、西のテンポイント、東のトウショウボーイの対決ムードで盛り上がったクラシック戦線だった。今年がそんな年になるには、取り合えずは主役がいなければならないが、彗星出現の可能性は残されている。もし、インフルエンザ禍の影響で逸材が隠れているならば、今年に入ってからデビューした新馬勝ちの若馬の中に、第2のトウショウボーイがいるかもしれない。となると、1勝クラスの特別戦を徹底マークしなければならない。春の牡馬クラシック戦線は、これから行われるステークスだけでは全貌がつかめないことになる。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。