ホッカイドウ競馬、第4回浦河ジュニア・ジョッキー杯(前編)

2008年05月06日(火) 21:00 0

 前半と後半に分かれた今年の大型連休も今日で終わり、明日から日常の生活に戻る。北海道は先月下旬より好天に恵まれたため、予想通り? 各地の桜が平年よりもかなり早く開花した。新ひだか町静内の二十間道路は、桜並木を一目見ようと大変な渋滞が連日続いたという。そのピークは5月3日と4日あたりだったらしい。

 浦河でもちょうど同じ時期に桜が開花し始め、折からの高温にも恵まれて、文字通り「一気に」咲き揃った感がある。そして、5日午後から6日早朝にかけて降った雨のため、早々と散り始めたほど。何とも慌しい風景なのだ。浦河の場合、予定されている「桜まつり」は来週の土日(10日、11日)だが、おそらくその頃には大半の木の花びらが散ってしまっているだろう。

 さて、連休最終日の6日、札幌競馬場にて、恒例の「浦河ジュニア・ジョッキー杯」と銘打ったポニーによるアトラクションレースが今年も行なわれた。今回出走したのは9頭のポニーとジョッキー。乗るのは浦河ポニー乗馬少年団の団員とOBである。最年少は小学校3年生から上は中学校1年生まで。この日のために、団員たちは連休返上で毎日“特訓”に明け暮れた。

 浦河出発は6日午前5時。馬運車にポニー9頭を積み込み、マイクロバスに団員とOB、保護者などが乗る。総勢40人ほどの団体である。

 馬は少年団で所有する馬とそれぞれの団員の保護者が所有する馬との集合体。原則として毎週1回の練習だが、こういう特別行事があると、別途日程を組んで練習に励む。本番よりもむしろ、日々の練習に重点が置かれているとも言える。

 私事ながら、今回は、小学校5年生になる我が娘も出走した。いや、「させてもらった」と言った方が正しい。草競馬には昨年夏に一度出ているとはいえ、今回の騎乗馬は昨年のこのレースで2着に入った「メルモチャン」号。何せ、スピードがまるで違う。本人は、まず「恐怖感を克服する」ところからのスタートだった。

 本人の乗馬歴は小学校1年生からの丸4年間になるが、さすがに競馬となると、かなり勝手が違うようで、今回は練習中に何度も落馬した。しかし、落ちるのもまた練習のうちなのである。

 午前8時半に札幌競馬場到着。依然として散発するインフルエンザのために、競馬場の防疫体制はかなり厳しく、出発に先立って簡易キットによるインフルエンザ検査も直前に二度実施させられたほど。

 競馬場でも、馬運車から降ろされたポニー9頭は、そのまま地下道から内馬場に入り、そこで待機。完全に道営所属馬とも隔離された状態で本番を待つことになった。馬糞さえ「持ち帰るように」とのお達しで、その厳戒態勢ぶりが伝わってきた。

ポニーレース風景6

ところで出走馬は次の通り。

1.クリボン(セン4歳)馬体重200kg、騎手・近藤直人(小6)ハンデ-50m

ポニーレース風景4

2.サンジ(セン9歳)馬体重275kg、騎手・近藤倖路(中1)

3.珀[ハク](セン8歳)馬体重280kg、騎手・富菜美咲(小6)

ポニーレース風景3

4.ガンバレタロウ君(セン15歳)馬体重260kg、騎手・広瀬楓(小5)

5.トットコハムタロウ(セン11歳)馬体重250kg、騎手・木村拓己(小5)

ポニーレース風景1

6.メルモチャン(牝9歳)馬体重280kg、騎手・田中文乃(小5)

ポニーレース風景2

7.フランキー(セン3歳)馬体重270kg、騎手・木村和士(小3)

8.チャオ(牝8歳)馬体重290kg、騎手・根本ひなた(小4)

ポニーレース風景5

9.プリティ(牝13歳)馬体重320kg、騎手・中脇剛(中1)ハンデ+30m

 レースはホッカイドウ競馬の第4レースと第5レースの間に組まれており、発走は12時15分。もちろん本物のレースが最優先されるため、「速やかに入場し、速やかに退場する」ことが義務付けられている。落馬&放馬などで予定外の時間をポニーレースに取られることは何より影響が大きいのである。実は私個人の心配はその部分にほぼ集中していた。技術未熟な我が娘が果たして落馬せずに無事ゴールできるものかどうか。その一点だけが気がかりだった。因みに距離は300m。ゲートは使用せず、旗の合図でのスタートである。(以下次週)

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田中哲実

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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