英オークス展望

2008年05月27日(火) 23:50

 先週のダービーに引き続き、今週はオークス(6月6日、エプソム)の展望を行いたい。

 ダービー同様に、オークスも大混戦。出否未定の有力馬が複数いる点でもダービーと似通っており、こちらの予想も一筋縄では行きそうもない情勢だ。

 大手ブックメーカーが2.5倍から3.5倍のオッズで1番人気に推しているのが、ジム・ボルジャー厩舎のガリレオ産駒ラッシュラッシーズだ。昨年9月14日にカラ競馬場で行われた、ゴフスが後援するセール出身馬限定のボーナスレースでデビュー。G2デビュータントS勝ち馬キャンプファイアグローやG3スイートソレラS勝ち馬アルバビリアといった重賞勝ち馬を向こうに廻してデビュー勝ちを果たし、一躍今季のクラシック戦線の上位人気に浮上した馬である。

 2歳シーズンをその1戦だけで終えたラッシュラッシーズ。今季は、緒戦のカラのG3パークイクスプレスが7着、続くニューマーケットのG1・1000ギニーが6着と出だしで躓いたが、5月14日にヨークで行われたG3ミュージドラSを5馬身差で快勝し、オークス戦線の主役に返り咲いた。

 ところが管理するボルジャー師は、「馬場が固くなるようならオークスは使わない」と発言。Goodよりも軟らかい馬場となることを、出走の条件としている。

 コーラルとラドブロークスがラッシュラッシーズに次ぐ2番人気に推しているのが、ダーモット・ウェルド厩舎のチャイニーズホワイトだ。昨年9月8日にレパーズタウンのメイドンでデビュー勝ちした馬で、父が凱旋門賞馬ダラカニ、母が10FのG3ブランドフォードS勝ち馬チェンマイという血統から、冬の間オークスのアンティポストで上位人気に掲げられていた馬である。

 今季緒戦、5月4日にゴウランパークで行われた距離9f100yの準重賞ヴィクター・マコーモント・メモリアルSも快勝。デビューからの戦績を2戦2勝としたチャイニーズホワイトだが、管理するウェルド師は「まだ成長途上」として、現時点ではオークスの出否を保留している。

 ウィリアムヒルが2番人気に推しているのが、ジョン・オックスが管理するパントルセレブル産駒カティーラだ。昨年8月19日にレパーズタウンで行われたメイドンでデビュー勝ち。チャイニーズホワイト同様、血統的に距離12fのオークスのアンティポストに浮上した馬である。

 今季緒戦となったのが5月11日にレパーズタウンで行われたG3デリンズタウンスタッド・1000ギニートライアルで、ここでのカティーラは2着に敗れたものの、勝ち馬カリビアンサンセットが25日に行われた愛1000ギニーで僅差の3着に好走したことから、G1で戦える能力があると見てオークス参戦の構えを見せている。

 この3頭に続くのが、ミュージドラS・2着馬ケイプアンバー(父ケイプクロス)、5月7日にチェスターで行われたLRチェシェアオークスの勝ち馬セイル(父サドラーズウェルズ)、5月16日にニューバリーで行われたLRフィリーズトライアルSの勝ち馬クラウワンスで、ここまで御紹介した6頭がオッズ10倍以下にひしめき合う混戦となっている。

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合田直弘

1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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