ブリリアントS

2008年06月13日(金) 18:50

 先週のユニコーンSを1分35秒1で独走のユビキタスは、ミスタープロスペクターの3×4。現状を代表するスピード系ダート巧者の配合だったが、同時に、牝系はちょっと以前のフリートウイング、ヴィエナ、カリム…などタフなダート巧者の血がずっと重ねられていた。正真正銘のダート巧者である。

 OPに初挑戦の前走は、流れにも乗れずに後方のまま凡走したエスケーカントリーは、この東京ダート2100mに限れば2、1、1着とパーフェクト。もともとあまり器用な馬ではなく、連対5回は東京、新潟の左回りで伸び伸び走れるコース向きのダート巧者。

 父ティンバーカントリーは、ミスタープロスペクターの孫になる典型的なダート向き種牡馬。アドマイヤドンなどの父であると同時に、ドバイミレニアムなどのフォールアスペン一族だから、請われてドバイで併用されたこともある。

 母の父アサティス(ノーザンダンサー系)は、ウイングアローなどを送った現代を代表するダート向き種牡馬。形とするとユビキタスと同じような最近のダート巧者の典型的な配合だが、エスケーカントリーの牝系には、テュデナム、アローエクスプレス、アザーストーンウッド(マンノウォー系)…など、ユビキタスの場合と同じように、もともとがダート向きの一族であるところへ、さらに現代のダート血脈を重ねたところがある。

 東京ダート2100mでは、上がり35.5〜36.1秒。前々走など休み明けで格上がりだったが、準OPのタフなダート巧者を、最後方からまとめて直線だけで差し切りG前はまだ楽だった。55kgなら、OPでも通用する。ロングプライド、マルブツリードが本線の相手。妙味はニシノナースコール。

 中京11Rは、初ダートだけに強気になれないが、配合パターンがヴァーミリアンとまったく同じイースターは、実は意外な隠れたダート巧者である可能性を秘める。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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