2008年06月17日(火) 23:50
7月26日にアスコット競馬場で行われる、ヨーロッパ芝12f路線の前半戦の総決算「キングジョージ」の登録が先週火曜日(6月10日)に締め切られ、日本のロックドゥカンブを含めて50頭のエントリーがあったことが明らかになった。
6月16日付けの大手ブックメーカー「ウィリアムヒル」のオッズによると、3.75倍の1番人気に支持されているのはソルジャーオヴフォーチュン(牡4歳)だ。昨年の愛ダービー馬で、今季緒戦となった6月6日のコロネーションC(G1、12f10y,エプソム)も快勝した馬である。
4.33倍の2番人気が、昨年の凱旋門賞4着馬ゲッタウェイ(牡5歳)。今季緒戦のG2ジョッキークラブSを快勝した後、コロネーションCは1番人気を裏切り5着と敗れたが、管理する名伯楽アンドレ・ファーブルが虎視眈々とキングジョージを狙っている1頭である。
上位人気2頭を古馬が占めたが、3、4番人気は3歳馬だ。
5倍のオッズで3番人気になっているのが、英国ダービー馬のニューアプローチ(牡3歳)。ダービーでニューアプローチの半馬身差2着だったタータンベアラー(牡3歳)が、6倍で4番人気となっている。両馬は、6月29日に行われる愛ダービーで再激突の予定で、キングジョージの出否は愛ダービー後に決まる予定だ。
その下には、牝馬が2頭続く。7倍の5番人気が、ドバイシーマクラシックを制した、南半球生まれのフジキセキ産駒サンクラシーク(牝4歳)。既に管理するマイク・ドゥコック師が、ニューマーケットのジェフリー・ラッグ師のヤードに間借りした厩舎で調整を積まれている。ただしキングジョージよりは、1週間後にグッドウッドで行われる牝馬限定のG1ナッソーSに廻る公算大と言われている。
9倍の6番人気が、昨年春から夏にかけて、プリティーポリーS、愛オークス、ナッソーS、ヨークシャーオークスと、牝馬限定G1を4連勝したピーピングフォウン(牝4歳)。6月28日にカラで行われるG1プリティーポリーSで、今季初登場の予定だ。
さて、日本調教馬ロックドゥカンブはと言うと、ウィリアムヒルでは26倍の20番人気と、現時点での評価は高くない。ブックメーカーが現段階でオッズ作成の頼りにするのは、成績のみ。ジャパンCに走っておらず、G1未勝利のこの馬への評価としては、こんなものなのだろう。
現地のマスコミには、昨年の有馬記念で騎乗したマイケル・キネーンが、堀調教師にキングジョージを推奨した話などがボチボチ掲載されはじめており、宝塚記念を勝ったりしたら、一気にオッズが下がる可能性もあるだろう。
ロックドゥカンブの単勝は、26倍もつく今、買っておくべしと、英国の友人には触れ回っている。
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合田直弘
1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。