サトノレイナス「アーモンドアイ超え」の夢

2020年12月08日(火) 20:48 0 1

 希代の名牝が去っても時計の針は変わることなく進む。余韻に浸る時間はほんの一瞬。レースは毎週行われているのだ。まして次から次へと有力馬が出てくるのが今の国枝キュウ舎。阪神JFに送り出すサトノレイナスも、有力馬の一角どころか、「ニューヒロイン」を狙える立ち位置にいる、2戦2勝のディープインパクト産駒だ。

 サトノレイナスの可能性について国枝調教師に話をうかがうと…。

「フラッグは牡馬なのもあってか、入厩してすぐはピリッとしなかったんだけど、レイナスは早い時期から気持ちが入っていたし、それでいて馬体も立派。早い段階から(素質は)上だったよね。実際、北海道にいる時から牧場でも評判になっていた。基本的に優秀な馬は早い時期から目を引くものなんだ」

 そして新馬→サフラン賞(1勝クラス)と1600メートルで順調にステップアップしてきたサトノレイナスにとって、同距離の阪神JFへの出走は青写真通りと思えるのだが、国枝調教師からは意外な答えが返ってきた。

「個人的には(1800メートルの)東スポ杯を使いたかったんだ。馬の格好を見ると2000メートルは欲しいからね。ただ、オーナー(サトミホースカンパニー)が牝馬のG?をまだ勝っていないこともあって、まずはここへ向かうことに。牡馬と一緒の路線に行きたい気持ちもあったんだけどね」

 アパパネやアーモンドアイに比べても四肢が長くスラッと見せる体形。トレーナーの中にはマイルよりも“長い距離で”の思いが強いのだ。さらには「冗談みたいな話になるんだけど」と前置きしたうえで、壮大なプランが胸中にあることを明かしてくれた。

「牝馬で、しかも無敗で皐月賞からダービー、さらには(3歳秋での)凱旋門賞(を勝つ)ってことになれば、あの馬を超えるわけだよな。まあ、アーモンドアイだって出ていればダービーを勝っていただろう。最近は世界的に見てもトップクラスは牝馬が強いからな」

 もちろん、現実はまだ新馬→1勝クラスを制しただけの馬。あくまで“夢物語”ではあるのだが…。“アーモンドアイ超え”の有資格馬であることだけは間違いない。今週末はそんな可能性に満ちたサトノレイナスの走りをじっくりと堪能したい。

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