マイネルウィルトス凱旋門試金石の函館記念

2021年07月01日(木) 21:04 2 4

不良馬場の福島民報杯を大差勝ちし、凱旋門賞に登録を行っているマイネルウィルトス(牡5、宮)が1日、目標の函館記念へ向け、函館競馬場で調整を開始した。前日の6月30日に放牧先の真歌トレーニングパークから帰厩。帰厩翌日は角馬場で体をほぐした後、ゆっくりとウッドチップコースを1周した。

「大きく変わらずにきています。とても扱いやすい馬なので」と笑顔の渡井厩務員。函館競馬場に入るのは初めてだが、調教後に洗い馬で新しい蹄鉄に打ち替えると、落ち着き払った様子で自らの馬房に入り、与えられた食事をほおばった。

新潟開催となった今年の福島民報杯で見せた走りは衝撃だった。前走で3勝クラスの壇之浦Sを勝ったばかり。オープンクラスで一度も走ったことのない馬が直線半ばで先頭に立つと、並み居る重賞ウイナー、重賞競走の常連馬たちをぶっちぎった。2着プレシャスブルーに1秒8の大差。不良馬場で、メンバー最速だった自身の上がり3ハロンは39秒3という数字だった。「ビックリしましたよ。時計がかかるのはいいので、道悪はいいと思っていた。早めに先頭に立ったので、頑張れと思って応援したけど・・・」。デビューから担当する渡井厩務員も驚く圧勝劇だった。

「数字も見た目も大きくは変わっていないので、中身がしっかりしてきたということでしょう。いい相手と走ってきたのもあるけど、なんで1勝クラスであんなに勝てなかったのかな、と思います」。2歳9月の新馬戦で3着。デビュー3戦目に勝ち上がったものの、2歳暮れから3歳春にかけ、3歳500万クラス(現1勝クラス)で4戦連続の2着を記録した。なかなか勝ち切れなかった馬が3勝クラス、リステッドを連勝し、凱旋門賞へ登録するまでに激変するとは・・・。

「お母さんのマイネボヌール(芝短距離で4勝)もおばあさんのコスモフォーチュン(06年北九州記念制覇)も担当していたので、3代続けてやらせてもらっています。ボヌールとフォーチュンは牝馬でカリカリしたところがあったけど、ウィルトスは牡馬で落ち着いている。丹内騎手とも相性がいいですね。調子が上がると、好調が長続きするタイプなので、今回は休み明けになるのと、重賞になるのがどうかだと思います。週末、来週、再来週とやって、仕上げていければ」(渡井厩務員)。

凱旋門賞遠征の実現へ向けた試金石の一戦となる函館記念。ゴールの瞬間まで目が離せない。

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