【朝日杯FS】8頭立ての一戦で強さを見せつけたミホノブルボン/朝日杯無敗制覇列伝

2018年12月12日(水) 21:30

ミホノブルボンは朝日杯を制し、翌年二冠馬に(写真は1992年京都新聞杯優勝時)

 今年の朝日杯FSには、4頭の無敗馬が出走を予定している。そして、今週の「朝日杯FS列伝」は無敗馬の勝利がテーマ。初回は1991年のミホノブルボンをお届けする。

■ハードトレーニングによるスタミナ強化で無敗の戴冠

 まだレース名も現在のものではなく、舞台も中山競馬場、馬齢表記も数え年だった頃、第43回朝日杯3歳ステークスは8頭立て。少頭数となったのは、ミホノブルボンの存在が大きかった。

 ミホノブルボンのデビューは、2歳9月の中京芝1000m。出遅れながらメンバー最速の上がりで直線一気を決め、レコード勝ちをおさめる。快速を武器に勝ち星を積み重ねたミホノブルボンにとって、唯一の追い込みでの勝利だった。

 続く2戦目の500万下(東京芝1600m)は2番手を追走し、直線では少し気合いをつけただけで2着馬に6馬身差をつけた。そして、向かったのが8頭立ての2歳王者決定戦。前2戦で見せた圧倒的な強さに、他陣営はゲート入りさえしなかったのである。当然、単勝オッズ1.5倍という断然人気を集め、2番人気に前走の京成杯3歳Sを1番人気で快勝したヤマニンミラクル、3番人気には府中3歳Sを勝ったマチカネタンホイザが続いた。

 レースは、マイネルアーサーが押して先頭に立つ。ミホノブルボンはそれを見ながらの2番手、直後にはヤマニンミラクル、それらをマークしながら内を進んだのが、マチカネタンホイザだった。馬群は徐々に固まり、4コーナーを回る。

 直線を向くと、満を持してミホノブルボンが先頭へ。そこに外からヤマニンミラクルが迫り、2頭のマッチレースになるかと思われた。しかし、ヤマニンミラクルが並びかけようとするたびに、ミホノブルボンもひと伸び。結局、一度も前を譲ることなくミホノブルボンがハナ差凌ぎきった。過去2戦とは違い僅差での勝利となったが、改めて強さを見せつけたレースだった。

 ミホノブルボンを管理した戸山為夫調教師は、「鍛えて馬を強くする」ことを信念としていた。そして当初は故障馬のリハビリのために作られた栗東トレーニングセンターの坂路コースを積極的に活用し、管理馬にハードトレーニングを課した。取引価格はわずか700万円、血統的には短距離馬と見られていたミホノブルボンも、そんな戸山流で鍛えられ“坂路の申し子”と呼ばれるまでになった。戸山師はミホノブルボンについて「絶対的なスピードがあるから先行しているだけで、決して逃げ馬というわけではない」と評したそうだが、その持って生まれたスピードに、一日に栗東坂路を4〜5本駆け上がることでスタミナを兼ね備えていったのである。戸山師の信念に精神力で応えたミホノブルボンは、朝日杯3歳Sを制したあと、無敗のまま皐月賞とダービーの2冠に輝き、距離不安を払拭してみせた。

関連情報

みんなのコメント

フィルタ

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・報告・コメント非表示の使い方
  • 非表示・報告をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 非表示・報告をクリックし「このコメントを通報する」を選択することで運営会社に申告できます。
  • ※報告内容について、削除等の処置をお約束するものではありません。確認を行った結果、違反が認められない場合は削除などの措置は行わない場合もあります。なお、報告に対する個別の回答は行っておりません。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

新着ニュース

競輪を手軽に楽しもう!netkeirin

ランキング

      ニュースを探す