6月1日の夏季競馬開催スタートとともに降級制度が見直され、4歳夏季の降級が廃止された。これにより傾向がどう変わるかを、昨年のデータと比較しながら分析したいと思う。
降級制度とは、4歳の夏季競馬開催時点で平地取得賞金が1/2となり、クラスが下がる制度。昨年までは4歳夏季競馬開催時に収得賞金が半分になることで、優勝したことのあるクラスに再度、出走することができた。しかし、今年から勝てば上のクラスへ移動し、そのまま落ちることはない。
ではなぜ、降級制度を廃止したのか。JRAは同制度による弊害を大きく3つに分け、こう説明する。
・同じクラスでありながら、降級馬とそれ以外の馬の能力差が大きいことにより、勝利、賞金獲得機会の偏りが見られる。
・夏季競馬や第3場開催で高条件競走を多く編成できない。加えて少頭数の高条件競走が散見される。
・新規のファンが参加する上で分かりづらい。
JRAはこれらが改善されると見込んでいる。
ここで記者個人の見解を述べたいと思う。そもそも降級制度を始めたのは、4歳以上の古馬を有利に出走させることにより、出走頭数を確保することが目的だった。要するに出走頭数が十分に確保されている今の時代には必要のないもの。しかも、降級制度を詳細に説明するには、厩舎制度(管理頭数など)やその他のルール改正にまで触れなければならない。今回はそこが目的ではないのであえて説明は省かせてもらうが、要は現行で必要としないものがなくなった。単純にそれだけのことである。
話題が脇道にそれたので、ここから軌道修正。では降級制度がなくなったことで、レースの傾向はどう変わったのか。制度が見直されてから2週間が経過したこのタイミングで、昨年のデータと比較してみた。
▼18年(降級制度適用42レース)
3歳馬=14勝2着10回
4歳馬(降級馬)=21勝2着22回
4歳馬(非降級馬)=2勝2着2回
5歳馬=3勝2着7回
6歳馬=0勝2着1回
8歳馬=1勝2着0回
9歳馬=1勝2着0回
▼19年(40レース)
3歳馬=17勝2着12回
4歳馬=14勝2着14回
5歳馬=8勝2着10回
6歳馬=1勝2着3回
8歳馬=0勝2着1回
一見すると3歳馬と4歳馬で大きな差はないように思われるが、トータル出走頭数に差があり、勝率にすると3歳馬が高い数値を誇っている。斤量が軽い3歳馬が有利。これは誰もが予想したことであり、やはりこうなったかという結果である。
記者個人の感想では、3歳馬優勢は当然として、古馬との差はもっと大きくなると思っていた。そこは意外である。ただ、馬券の狙い目が3歳馬だということは間違いない。条件戦での馬券購入の際に迷いが生じたときは、まず年齢を確認してみてはどうでしょう。的中率が上がるかもしれません。(デイリースポーツ・小林正明)
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2019/6/11 16:32
降級制度とかどーでもいいからクラス名称を元のままにしろ