近年の3歳クラシックで活躍する馬は、6月開催でデビューして、夏場は休養に充てて、秋から再始動というイメージが強い。しかし、昨年の5回京都開催の開幕週でデビュー勝ちした中に
ラヴズオンリーユー(栗東・
矢作芳人厩舎)がいる。
無傷の4連勝で
オークスを制し、今秋も
エリザベス女王杯では中心的存在。ひょっとしたら、今年の5回京都開催にも来春のクラシックで活躍する馬が華々しいデビュー戦を飾るかも知れない。
【11月2日(土) 京都芝1600m(牝)】
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ミスビアンカ(牝、父
ロードカナロア、
母シャトーブランシュ、栗東・
高橋義忠厩舎)
母は
高橋義忠厩舎で管理され、2015年の
マーメイドSを制した
キングヘイロー産駒。本馬はゲート試験合格後に一旦放牧へ出され、9月27日にノーザンFしがらきから栗東へ帰厩している。
坂路とCWを併用した仕上げになっているが、10月25日はレースでも騎乗予定の
岩田康誠騎手が跨ってのCW追い切り。新馬との併せ馬だったが、前半から楽なラップだったこともあり、最後まで手応えに余裕ある状態で追いかけてきた相手と同入でゴールしている。初仔は小さく出ると言われたりするが、母の現役時代と同じくらい、470キロ前後はあるようなので、初戦からしっかり動けるタイプではないだろうか。
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タンジェリンムーン(牝、父
ゴールドシップ、
母ムーンフェイズ、栗東・松永昌博厩舎)
半兄
オウケンムーン(父
オウケンブルースリ)は
2018年
共同通信杯で重賞制覇。半姉
シーオブザムーンは
ブラックタイド産駒で中山芝1800mの新馬戦を勝っており、今回は
ゴールドシップ産駒だが、これまた楽しみ。
追い切りでの動きで目立ったのが10月23日。CWで
プランスペスカとの併せ馬だったが、手応え良く先着。6F82.3秒という全体時計も評価できるが、先週の3勝クラスを勝ち上がった相手より動いたことが評価できる。あとは実戦でどれだけ走れるかどうか。
【11月3日(日) 京都芝1800m】
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トゥルーヴィル(牡、
父ディープインパクト、
母レディドーヴィル、栗東・
斉藤崇史厩舎)
ダイワメジャー産駒の半姉
ポールヴァンドルはダートで1勝、芝で2勝を挙げており、重賞では
紫苑S3着という実績を残している。また、母系には2012年
阪神大賞典を勝った
ギュスターヴクライ(
父ハーツクライ)がいる血統でもある。
デビューへ向けての調教は坂路とCWを併用しているが、10月11日にはゲートから長めに時計を出している。12秒前半のラップを馬なりでマークしており、このあたりは競走馬としてのセンスの良さを感じる。10月23日のCWでは、レースで騎乗予定のC.スミヨン騎手が跨り、併せ馬を追走して馬なりで同入。6F81.7秒と速い全体もマークできている。「まだ緩いところもありますが、さすがは良血といった動きですね」と
斉藤崇史調教師。デビュー戦のパフォーマンス次第では、来春楽しみな存在となりそうだ。
【11月3日(日) 京都芝1400m】
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メートルムナール(牡、
父Oasis Dream、
母La Collina、栗東・安田隆行厩舎)
日本で活躍した父の代表産駒にはダートで5勝を挙げた
サンレーンがいる。父の父は
Green Desertなので、やはりダートというイメージはあるが「もちろん
パワーもあるんですが、芝を使ってみたくなるスピードがあります」と安田隆行調教師。
それを数字で示してくれたのが、10月24日の坂路。2勝クラスを1秒以上追いかける併せ馬だったが、最後はなんとか先着してフィニッシュ。4F51.5秒は素晴らしく速く、スピードと
パワーを兼備したような走りだった。ここまで十分乗り込まれているだけに、初戦からといったタイプであることは間違いない。
(取材・文:井内利彰)
2019/10/28 23:20
ルメール騎手のほうが信頼度高い