【勝負の分かれ目 有馬記念】北村騎手の信頼に応え、クロノジェネシスが春秋グランプリ制覇

2020年12月27日(日) 20:30

春秋グランプリ制覇を達成したクロノジェネシス(撮影:下野雄規)

 バビットが単騎の逃げを打ち、16頭が向正面に入った。オーソリティブラストワンピースが2、3番手で、フィエールマンがその直後。少し後ろの馬群の内をワールドプレミアが掛かり気味に進み、外にはカレンブーケドールラッキーライラックらがいい手応えでつけている。

 これら中団馬群の後ろに、北村友一クロノジェネシスがいた。

「折り合いもスムーズでしたし、いつものクロノジェネシスの感じで走ることができていました」

 そう話した北村は、3コーナー手前でクロノジェネシスを軽く促し、外からするするとポジションを上げた。

「昨日、今日と2500mのレースに騎乗させていただいて、自分のなかでいいイメージを描いて競馬をしたつもりです」と北村。

 それをキセキが追いかけて行ったが、さらに2馬身ほど後ろにいた松山弘平サラキアは、ここでは動かず、脚を溜めた。

 クロノジェネシスは余裕のある手応えのまま3、4コーナーを回った。ラスト600mで前を2馬身ほどの射程にとらえ、内のカレンブーケドールと併せるような形で直線に向いた。

 直線に入ると、フィエールマンバビットをかわして先頭に躍り出た。

 馬体を離してスパートしたクロノジェネシスが、ラスト200m地点でフィエールマンに並びかける。

 勢いはクロノジェネシスが上だ。このまま一気に突き抜けるかと思われたが、フィエールマンが食い下がる。さらに外から、サラキアが凄まじい脚で追い上げてきた。

 クロノジェネシスは力強くストライドを伸ばし、内のフィエールマンを競り落とし、外のサラキアの追い上げをクビ差封じてフィニッシュ。一昨年のリスグラシューに次ぐ、牝馬では史上2頭目となる同一年春秋グランプリ制覇をなし遂げた。

 見事な横綱相撲だった。自信満々の騎乗で、強い馬の能力をフルに引き出した北村はこう話した。

「未対戦の三冠馬が2頭いますので、そこに譲らないよう、主役として引っ張っていける存在であってほしいと思います」

 デアリングタクトコントレイルとの対戦がさらに楽しみになった。

(文:島田明宏)

関連情報

みんなのコメント

フィルタ

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・報告・コメント非表示の使い方
  • 非表示・報告をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 非表示・報告をクリックし「このコメントを通報する」を選択することで運営会社に申告できます。
  • ※報告内容について、削除等の処置をお約束するものではありません。確認を行った結果、違反が認められない場合は削除などの措置は行わない場合もあります。なお、報告に対する個別の回答は行っておりません。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

新着ニュース

競輪を手軽に楽しもう!netkeirin

ランキング

      ニュースを探す