信念の男・角居師との思い出 厩舎の仲間を想い結果を求めていた

デイリースポーツ

2021年02月13日(土) 18:11

菊花賞を制したデルタブルースと角居師(左は岩田康)=04年10月24日・京都競馬場

 3月は別れの季節と言いますが、中央競馬では2月になります。今月いっぱいで定年を迎える調教師、引退する騎手。今年も取材でお世話になった多くの人が去って行きます。

 その中のひとり、角居勝彦調教師は家業の天理教を継ぐため、定年を待たずに勇退。記者と同じ石川県金沢市出身ということで、勝手に親近感を覚えていただけに、余計にさみしいです。

 金沢市内の進学校を卒業後、獣医師を目指すも大学受験に失敗。もともと技術が持てる仕事に就きたいと思っていたこともあり、父の友人のツテで北海道の牧場で働くことに。それがきっかけで競馬の世界に入り、JRA競馬学校を卒業後、中尾謙太郎、松田国英厩舎で調教助手として過ごすと、松田師のアドバイスもあり、調教師試験に3回目の受験で合格しました。

 今から17年前の2004年。当時発行していた東京版の夕刊デイリーで「夕刊SPECIALインタビュー」のコーナーがあり、「人生の転機」として角居師を取材しました。競馬記者1年目。菊花賞デルタブルースが制し、開業4年目で初のG1タイトルを手にした直後でした。「厩舎の人間にはきつい仕事をやらしているので、結果を出したかった。やってきた仕事が間違いじゃなかったと、みんなもうれしかったと思います」と、自分の信念が実を結び、喜んだ姿が思い出されます。

 その後は数多くのG1馬を輩出し、ウオッカでは牝馬で64年ぶりとなるダービーV。「ゆくゆくは海外遠征もしたい」と話していましたが、シーザリオで米オークスデルタブルースメルボルンC、ヴィクトワールピサでドバイワールドCなど、海外のビッグタイトルも手にしました。また、引退馬のキャリア支援も行うなど、トップトレーナーとして存在感を見せています。

 「金沢は自分のリズムがある街。時間の流れが違うように感じます。空襲を受けなかったこともあって、街並みも大きく変化しませんね」。当時、記者が印象に残った言葉です。第二の人生でも角居師は自分の信念を貫き、リズムを崩さないでしょう。そして、しっかりと足跡を残すはず。同郷の人間としてエールを送りたいです。(デイリースポーツ・中江寿)

関連情報

みんなのコメント

フィルタ

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・報告・コメント非表示の使い方
  • 非表示・報告をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 非表示・報告をクリックし「このコメントを通報する」を選択することで運営会社に申告できます。
  • ※報告内容について、削除等の処置をお約束するものではありません。確認を行った結果、違反が認められない場合は削除などの措置は行わない場合もあります。なお、報告に対する個別の回答は行っておりません。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

新着ニュース

競輪を手軽に楽しもう!netkeirin

ランキング

      ニュースを探す