「
金鯱賞・G2」(14日、中京)
単勝1・4倍と圧倒的な支持 を受けた昨年の3冠牝馬
デアリングタクトが、まさかの2着に敗れる波乱の結末。制したのは最低人気の6歳馬
ギベオンだった。迷いなき逃げで2度目の重賞V。見事にエスコートした
西村淳也騎手(21)=栗東・フリー=は、デビュー4年目でのうれしい重賞初制覇となった。
覚悟を持って先陣を切った先に、波乱と栄光のゴールが待っていた。迷いのない逃げから先頭で直線に向いた
ギベオンを、西村淳はこん身の右ステッキで鼓舞し続ける。迫る蹄音。
プライドをかけて末脚を繰り出す3冠牝馬の猛追を首差封じて、
金鯱賞史に残る逃亡劇を完結させた。
「追い切りですごく状態の良さを感じていたので、自信を持って乗りました。枠順が決まってから先生とも相談して、このメンバーならハナへと。3、4コーナーで手応えが悪くなりかけましたが、直線に向いてからまた伸びてくれて…。何とかしのいでくれと祈るだけでした」。デビュー4年目にして、ようやくたどり着いた重賞初制覇のお立ち台。殊勲の鞍上は真っすぐな瞳で喜びを伝えた。
単勝227・3倍の最低人気と評価は低かったが、昨年は0秒4差の4着。18年には
中日新聞杯を制しているように、桶狭間での戦いを熟知していた。加えて、逃げという戦略が功を奏す。采配を振るった藤原英師は「馬場や展開など、いろいろと助けてもらいました。ジョッキーも作戦をうまく実行してくれましたね」と西村淳の手綱さばきを称賛。会心の勝利を振り返った。
実に2年3カ月ぶりとなった勝利は、同レースの単勝、馬単、ワイド、3連単の最高払戻金額を更新した。中京の中距離といえば
ギベオン。スペシャリスト誕生を印象づける逆襲の一撃だった。
2021/3/15 6:45
デアリングタクトが負けた事よりギベオンが勝ったって方のが「まさか」感は強い。