秋の東京開催も残すところあと2週。クラシックを目指す2歳馬のデビュー時期は「早期化傾向」にあるだけに、すでにデッドライン間近と言えるのかもしれない。それだけにこの時期のデビューにこぎつけた超良血馬の動向には大いに注目しておく必要がある。
土曜(20日)の東京芝1600メートル(牝)新馬戦で、鞍上にルメールを迎えてデビューする
ホーリーエンブレムの
母メジャーエンブレムといえば、阪神JF、
NHKマイルCのGI2勝を含む7戦5勝の堂々たる戦績で早々と繁殖入りした名牝。その活躍をご記憶の方も多いのでは。
3歳春までに稼ぎまくることはダービーまでで期間が終了するケースが多いPOGでは大事なこと。まさにPOG仕様の活躍を見せた
メジャーエンブレムの2番子にあたるこの
ホーリーエンブレムは、初子の
プレミアエンブレム(牝3=父
ルーラーシップ)から父が
ロードカナロアに替わり、より母に近いマイル色の濃い配合となっている。
11日の南ウッドでの併せ馬では古馬オープンの
キルロードを相手にしぶとく食い下がり、5ハロン65.8-11.9秒と優に水準レベルを超える時計をマークしてみせた。
「姉(
プレミアエンブレム)と比べても動きはいいくらい。420キロほどと小柄なんだけど、しっかりと動けているよね。前向きな中でもコントロールは利いている。血統的には気性のきつい面はあるんだが、今のところそれがマイナスにはなっていないのがいいよね」(田村調教師)
母メジャーエンブレムはもちろん、その
母キャッチータイトル(現役時5勝)も管理した田村調教師にとっては、まさに厩舎ゆかりの知り尽くしている血筋。そんなトレーナーによると、
メジャーエンブレムのきょうだいにあたる代はセン馬にしたのが2頭いるなど、気性が“やばい”が、その子供の代は大丈夫なんだとか。ちなみに
ホーリーエンブレムの全弟(
メジャーエンブレムの2020)はサンデーサラブレッドクラブで1億円の募集価格となっている注目馬でもある。
「小柄でも加減せずに攻め馬を積んできたし、(1週前追いで併せた)
キルロードくらいでないと(併せ馬の)相手にならない。この血統はやはり走るよね。初戦から結果を出していかないと」
田村調教師が気を引き締めて臨む
ホーリーエンブレムのデビュー戦は、来春への道を切り開く快走を予感させる。
(立川敬太)
「いいね!」の付いたコメントが、まだありません。